11月の重要イベントと人気銘柄のボラティリティ

2022.12.16
2023.11.24
当サイトが実施した、2022年11月1日~11月30日を対象とした、「重要イベント」と「人気銘柄のボラティリティ」にみる市場動向の集計結果により、多くの銘柄で最大ボラティリティを記録したタイミングが、10日の米国CPI発表と重なっていることが分かった。
人気通貨ペアのボラティリティ動向と取引量
人気通貨ペア ドル円(USD/JPY)、ユーロドル(EUR/USD)、ユーロ円(EUR/JPY)、ポンド円(GBP/JPY)を対象にした今回の調査結果では、ドル関連の通貨ペアで11月10日の米国CPI(消費者物価指数)を起点にボラティリティ・取引量が大きく変動する展開が確認されました。一方、クロス円関連の通貨ペアは、ドルストレート・ドル円の通貨ペアと比べ、ボラティリティ・取引量が共に減少傾向です。市場参加者がどの通貨に関心を持っているかが顕著に現れる検証結果となっています。
ユーロドルは米国CPI発表後に最大ボラティリティを記録
ユーロドル(EUR/USD)のボラティリティ推移(対象月:2022年10月・11月)

11月のユーロドル(EUR/USD)のボラティリティは、10月と比べ最大ボラティリティの増加が目立ちました。11月の最大ボラティリティを記録したのは10日の286.3pipsで、10月の193.6pipsと比べ100pips近く増加しています。同日は米国CPIの発表が行われ、予想に反して数値が鈍化したことがボラティリティに表れた結果です。一方で、大きなボラティリティの上昇がありながらも、1日当たりの平均ボラティリティは先月比で約10pipsほどのわずかな増加にとどまっています。
相対的にボラティリティが恵まれなかったユーロ円
ユーロ円(EUR/JPY)のボラティリティ推移(対象月:2022年10月・11月)

ユーロ円(EUR/JPY)の10月・11月のボラティリティ推移の比較から、11月は10月と比べて、相対的にボラティリティに恵まれなかった1か月間だったことが確認できます。ボラティリティが最大を記録したのは米国CPIの発表があった10日ですが、数値は先月比で約100pipsほど減少しました。また、11月の平均ボラティリティ154pipsは、10月の167.5pipsと比べてわずかに縮小しています。ポンド円(GBP/JPY)に関しても同様のボラティリティ縮小を見せていることから、クロス円通貨ペア全体があまり市場参加者の関心が高くなかったと言えるでしょう。
ユーロ円(EUR/JPY)のボラティリティと取引量の推移(対象月:2022年10月・11月)

ユーロ円(EUR/JPY)の10・11月のボラティリティと取引量の推移を示す上記図から、11月はボラティリティと取引量がほとんど相関する形で推移していたことがわかります。ただし、最大取引量と最大ボラティリティを記録した日付と若干のズレが確認されています。ズレが生じた要因として、関連性の高い英国のファンダメンタルズが11日に複数発表されたことが考えられるでしょう。また、その後も重要度の高いファンダメンタルズが発表されたため、取引量がボラティリティを上回る展開が続いたと推測できます。
人気CFDのボラティリティ動向と取引量
人気CFD銘柄のゴールド(XAU/USD)、日経平均株価(JP225)、ダウ平均株価(US30)、原油(WTIOIL)を対象とした今回の調査では、為替と連動する形で、ファンダメンタルズにより強い影響を受ける傾向が確認できました。一方、ファンダメンタルズ材料が無い中で、ボラティリティが活発になったWTI原油(WTIOIL)のような銘柄も見られました。
日経平均株価は顕著にボラティリティが低下
日経平均株価(JP225)のボラティリティ推移(対象月:2022年10月・11月)

11月の日経平均株価(JP225)は、10月と比べてボラティリティの低下が顕著に表れていた銘柄の1つです。1日当たりの平均ボラティリティは、10月の492.2pipsに対して、11月は328.0pipsと100pips以上低下しました。最大ボラティリティに関しても、10月は1098pipsと非常に大きな値を記録しましたが、11月は633pipsで半分近くに縮小しています。日経平均株価が1日当たりで最大のボラティリティを記録したのは、FX通貨ペアと同じく米国CPIの発表があった10日です。注目のファンダメンタルズ材料が日経平均株価にも影響を与え、ボラティリティが上昇したことが確認できます。
テクニカル的要因に影響を受けたと考えられるWTI原油
WTI原油(WTIOIL)のボラティリティ推移(対象月:2022年10月・11月)

WTI原油(WTIOIL)の10月・11月のボラティリティ推移から、11月は10月と比べてボラティリティが恵まれた月だったことが確認できます。11月の平均ボラティリティは357pipsで、10月の326.9pipsと比べて30pips程度上昇しました。11月の最大ボラティリティ521pipsを記録した21日は、特に関連度の高いファンダメンタルズの発表が無かったタイミングです。このことから、11月のWTI原油は他の銘柄とは異なり、主にテクニカル的要因で価格の変動を見せたと考えられます。
WTI原油(WTIOIL)のボラティリティと取引量の推移(対象月:2022年10月・11月)

10・11月のWTI原油(WTIOIL)のボラティリティと取引量の推移から、11月は取引量に関してはあまり変化の無い1か月間だったことがわかります。10月のWTI原油は、一時的な取引量の急上昇が見られましたが、11月は変動はあるものの極端に取引量が増加する展開は確認されませんでした。
総評
米国CPIの影響を強く受けた相場展開
11月のボラティリティと取引量の推移では、多くの銘柄で最大ボラティリティを記録したタイミングが、10日の米国CPI発表と重なっていました。米国CPIの結果が予想値より下振れとなり、金利に対する見通しも修正されたことが、ボラティリティの拡大に強い影響を与えたようです。世界的な物価高を受け、今後も多くの市場参加者が、米国の物価変動を中心としたファンダメンタルズ材料に注目していくことが予想されます。
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