8月の重要イベントと人気銘柄のボラティリティ

2024.09.19
2024.10.02
当サイトが実施した、2024年8月1日~8月31日を対象とした、「重要イベント」と「人気銘柄のボラティリティ」にみる市場動向の集計結果により、FX通貨ペア、CFD銘柄ともに7月と比べてボラティリティが高い1ヶ月となり、ゴールドは、一時的な下落の後に史上最高値を更新したことが分かった。
人気通貨ペアのボラティリティ動向と取引量
人気通貨ペアであるドル円(USD / JPY)、ユーロドル(EUR / USD)、ユーロ円(EUR / JPY)、ポンド円(GBP / JPY)を対象とした今回の調査結果では、全ての通貨ペアでボラティリティの増加が確認されました。特に、ドル円は7月と比べてボラティリティの拡大が顕著です。ただし、ドル円以外のクロス円通貨ペアに関しては月半ばから取引量が減少もしくは鈍化しており、8月の為替市場は米ドルが主体となっていた可能性が高いと分析できます。
ドル円のボラティリティは7月と比べてさらに拡大
ドル円(USD / JPY)のボラティリティ推移(対象月:2024年7月・2024年8月)

上記は、ドル円(USD / JPY)の7月・8月の1カ月間のボラティリティ推移を比較したグラフです。8月のドル円は7月と比べてボラティリティが拡大しており、1日当たりの平均ボラティリティは、7月の168.5pipsに対して8月は217.0pipsと、48.5pips増加しました。1日当たりの最大ボラティリティに関しては、7月の434.2pipsに対して8月は5日の487.6pipsが最大となり、53.4pips増加しています。8月で最もボラティリティの高かった5日は、ロンドン市場までドル円は堅調に下降トレンドが推移していましたが、ニューヨーク市場のオープンにかけてボラティリティが縮小し、結果として安値を固める展開となりました。その後、米ISM非製造業総合景況指数が前月の48.8から51.4へと回復し、雇用や新規受注の増加によってボラティリティが大きく拡大しています。また、FRBの利下げ幅が0.25ポイントにおさまる可能性が高まり、米国10年債にも相関する形でドル円の価格は急反発しました。7月は一過性のボラティリティの上昇によって全体のボラティリティが引き上げられる形でしたが、8月はボラティリティが増加した翌営業日以降も同程度のハイボラティリティが継続するといった形で推移しています。
全体としてボラティリティが高まったユーロドル
ユーロドル(EUR / USD)のボラティリティ推移(対象月:2024年7月・2024年8月)

ユーロドル(EUR / USD)の7月・8月の1カ月間のボラティリティ推移を比較した上記グラフから、8月のユーロドルは7月と比べて全体的にボラティリティが高まったことが確認できます。1日当たりの平均ボラティリティでは、7月の44.3pipsに対して8月は67.3pipsと、23pips増加しました。1日当たりの最大ボラティリティに関しては、7月の80.5pipsに対して8月は2日の144.8pipsが最大となり、64.3pips増加しています。月初の寄り付きの相場でボラティリティ増加、その後は中旬にかけて落ち着き、中旬からの相場では複数回にわたって同じ水準までボラティリティが急増するといった動きは8月と7月で共通しています。
ユーロドル(EUR / USD)のボラティリティと取引量の推移(対象月:2024年7月・8月)

上記は、7月・8月を対象にしたユーロドルのボラティリティと取引量の推移を示したグラフです。8月のユーロドルは、おおむね取引量とボラティリティが相関する形で推移していましたが、ボラティリティの最大値と取引量の最大値は異なる日付で記録されています。
取引量が最も高かったのは21日で、この日は2023年2月から続く重要な高値に到達したタイミングでした。前回同じ価格帯に達した際には、約2カ月に及ぶ下降スイングを形成し、406pipsも下落していたことから、この価格帯が強く意識されていたことが示唆されます。価格の到達後の翌日は日足で陰線を形成しましたが、その翌日には一時的に力強く同価格帯を抜けたため、相場は上下に振られる形となりました。この動きにより、ショートポジションの損切りとロングポジションの利確が入り混じり、実際のボラティリティ以上に取引量が増加したと考えられます。
人気CFDのボラティリティ動向と取引量
人気のCFD銘柄であるゴールド(XAU / USD)、日経平均株価(JP225)、ダウ平均株価(US30)、WTI原油(WTIOIL)を対象とした今回の調査では、全ての銘柄でボラティリティの増加が確認されました。特に7月比で最も高いボラティリティの増加を見せたのは日経平均株価です。また、WTI原油を除く主要なCFD銘柄は米ISM非製造業総合景況指数の発表があった5日のボラティリティが8月で最大となっており、米国株式市場の下げが市場の共通の要因となっていたことが分かります。
ゴールドは一時的な下落の後に史上最高値を更新
ゴールド(XAU/USD)のボラティリティ推移(対象月:2024年7月・2024年8月)

上記は、ゴールド(XAU/USD)の7月・8月の1カ月間のボラティリティ推移を比較したグラフです。8月のゴールドは、史上最高値を更新したことが起点となり、7月と比べて大幅にボラティリティが増加しました。1日当たりの平均ボラティリティでは、7月の343.3pipsに対して、8月は376.9pipsで先月と比べて33.6pipsの増加となりました。1日当たりの最大ボラティリティに関しては、7月の540.6pipsに対して、8月は5日の944.7pipsが最大となり、先月と比べて404.1pipsも増加しています。ボラティリティが最大となった5日は米ISM非製造業総合景況指数の発表でドル円が大きく動いた一方で、ゴールドは異なる動きを見せました。ドル安円高の中ゴールドは一時下落するも、ニューヨーク市場で急反発し、その後の史上最高値更新につながっています。
歴史的暴落で日経平均株価のボラティリティは大幅に拡大
日経平均株価(JP225)のボラティリティ推移(対象月:2024年7月・2024年8月)

日経平均株価(JP225)の7月・8月の1カ月間のボラティリティ推移を比較した上記グラフから、8月の日経平均株価は7月と比べて月初のボラティリティが大幅に増加したことが確認できます。1日当たりの平均ボラティリティは、7月の746.7pipsに対して8月は1,360.2pipsと、613.5pips増加しました。1日当たりの最大ボラティリティに関しては、7月の1,547pipsに対して8月は5日の2,833pipsが最大となり、1,286pips増加しています。月初の相場では1989年のブラックマンデーと同規模の暴落が起こり、日本株バブルの崩壊を思わせる展開となりました。しかし、同日から急反発し、日経平均株価は歴史的な回復を見せています。
日経平均株価(JP225)のボラティリティと取引量の推移(対象月:2024年7月・8月)

上記は、8月を対象にした日経平均株価のボラティリティと取引量の推移を示したグラフです。8月の日経平均株価はボラティリティと取引量は共に、5日前後に極めて急激な増加傾向が見られました。3日間の続落で米国のハイテク株の大幅下落とドル安による円買いに強く引っ張られる形で大きく下げました。ただし、日本の株式市場自体が下げ要因で無かったためか、5日以降は急反発し市場の回復速度も歴史的となりました。
総評
米国市場が注目された8月の相場
2024年7月の人気銘柄のボラティリティと取引量の推移から、通貨ペア・CFD銘柄ともに軒並みボラティリティが増加傾向だったことが確認されました。8月の金融市場を振り返ると、米国の経済指標とFRBの金利政策動向、そして不動産価格の急落などを始めとする中国経済の減速が主な材料として意識されていました。米国のインフレは引き続き鈍化し、FRBの利下げ期待は高まっているものの、労働関連の経済指標が市場予想を上回る数値が見られたことで、市場は反発しボラティリティと取引量の増加に反映されています。また、半導体バブルの崩壊といった言葉がみられるほど、米国テック株を中心とした下落が、主要株価指数へ強く影響していました。9月の相場展開においては、米国の金利政策の方向性、中国経済の回復の兆し、そして主要株価指数の動向などの要因がどのように推移するかを注視する必要があります。
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