
2024.06.19
2024.06.20
当サイトが実施した、2024年5月1日~5月31日を対象とした、「重要イベント」と「人気銘柄のボラティリティ」にみる市場動向の集計結果により、ドル円以外のFX通貨ペアではボラティリティが低下し、CFD銘柄では全体的なボラティリティは低下したが、トレンドの方向性は維持されていることが分かった。
人気通貨ペアであるドル円(USD / JPY)、ユーロドル(EUR / USD)、ユーロ円(EUR / JPY)、ポンド円(GBP / JPY)を対象とした今回の調査結果では、5月はドル円が主軸となって大きく動き、他のクロス円通貨ペアがそれに連動する展開が見られました。市場全体の大きな流れとして円安が進行しましたが、為替介入の実施とその動きに対する市場参加者の不透明感から、円高方向に一時的に大きく振れる動きが複数回見られ、ロングポジションを取りづらい相場でした。一方ファンダメンタルズ要因に関しては、各国の政策金利の決定方針が明確でない状況もあり、市場の流れに継続的な影響を与えるものはありませんでした。

上記は、4月・5月のドル円(USD / JPY)のボラティリティの推移を示したグラフです。1日当たりの平均ボラティリティでは、4月の110.9pipsに対して5月は121.6pipsと、先月と比べて10.7pipsの増加となりました。1日当たりの最大ボラティリティは平均ボラティリティより顕著に増加しており、4月の347.5pipsに対して、5月は1日の498.5pipsが最大となり、151pipsも増加しています。ボラティリティが最大となった1日は、4月29日に付けた高値付近で再度大規模な下落があったタイミングです。ドル円は12時間の続落で約5円ほど下落し、他の銘柄には見られない大きなボラティリティの拡大が発生しました。なお、4月末に為替介入が実施されたとの見解が市場参加者の共通認識でしたが、5月31日に財務省より公開された外貨準備残高の増減から、実際に為替介入が行われたことが判明しました。令和6年4月26日~令和6年5月29日における外国為替平衡操作額として、9兆7,885億円が投じられていたことが発表されています。

ポンド円(GBP / JPY)の4月・5月の1カ月間のボラティリティ推移を比較した上記グラフから、5月のポンド円は4月と比べて全体的にボラティリティが低下していることが確認できます。1日当たりの平均ボラティリティは、4月の176.5pipsから5月は148.5pipsへと28pips低下し、1日当たりの最大ボラティリティも、4月の690.9pipsから5月は566.1pipsへと124.8pips低下しました。5月1日はドル円が最大ボラティリティを記録した日付と同じではありますが、ポンド円に関しては一方向へとブレイクする値動きではなく、4時間足レベルで上ヒゲ、下ヒゲの目立つローソク足を形成していました。また、注目度の高いECB総裁の発言があったものの、他の通貨ペアと同様に継続的にボラティリティや取引量が増大することはなく一過性のものでした。
人気のCFD銘柄であるゴールド(XAU / USD)、日経平均株価(JP225)、ダウ平均株価(US30)、原油(WTIOIL)を対象とした今回の調査では、それぞれ4月と比べてボラティリティの低下が確認されました。ただし、トレンドの方向性自体は各銘柄で維持されており、中期的なトレンドの勢いが失速したという印象を受けます。

日経平均株価(JP225)の4月・5月のボラティリティ推移を比較した上記グラフから、5月の日経平均株価は4月と比べて明確にボラティリティが低下していることが確認できます。1日当たりの平均ボラティリティでは、4月の761.9pipsに対して5月は566.7pipsと、195.2pips低下しました。また、1日当たりの最大ボラティリティでは、4月の1,212pipsに対して5月は29日の995pipsが最大となり、先月と比べて217pips低下しています。さらに、4月の日経平均株価は、1日当たりで1,000pipsを超える変動が5日間あったのに対し、5月は900pipsを超えるボラティリティを記録したのは1日のみです。日経平均株価は、3月から4月中旬にかけて方向感のある下落相場が続いた後、一旦安値を付けて反発を始めました。その後は日足レベルで1日から2日程度の上昇相場を見せた後、上昇幅の8割程度を連日の下げ相場で戻す展開が続いています。このような方向感の不明瞭な相場展開が、ボラティリティの減少傾向につながったと考えられます。

上記は、WTI原油(WTIOIL)の4月と5月の1カ月間のボラティリティ推移を比較したグラフです。1日当たりの平均ボラティリティは、4月の192.8pipsに対して、5月は163.3pipsで29.5pips低下しています。1日当たりの最大ボラティリティに関しては、4月の446pipsに対して、5月は1日の275pipsが最大となり、先月と比べて171pips低下しました。

4月・5月のWTI原油のボラティリティと取引量の推移を示した上記のグラフから、5月のWTI原油は先月と同様に取引量とボラティリティが概ね相関する形で推移していることが確認できます。ただし、最大ボラティリティを記録した5月1日前後の取引量を除けば、4月と比べて取引量とボラティリティの乖離が大きくなっています。その他、WTI原油のボラティリティが増加する要因として意識されやすいEIA週間石油在庫の発表においても今回はごく短期的にボラティリティが増加するのみで、持続性は見られませんでした。ただし、相場の方向感自体は明確に現れており、中旬までは下落局面が続きましたが、そこから下旬にかけて力強い反発が見られています。
2024年5月の人気銘柄のボラティリティと取引量の推移から、FX通貨ペアではドル円以外の銘柄で4月と比べてボラティリティが低下していることが確認できました。ドル円に関しては、財務省による為替介入の実施以降、大きな変動を見せ、ドル安・円高方向への動きによるボラティリティ拡大が見られます。CFD銘柄に関しても全体的なボラティリティの低下が確認されましたが、方向性自体は各銘柄で維持されていました。ただし、4月と比べて中期的なトレンドの勢いが失速していることを感じさせます。6月以降は、多くの市場参加者が注目するトピックである利下げの実現や、サプライズ的な利上げ発表によって相場が急変動するリスクがあるため、注視していく必要があるでしょう。
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