2024.03.20
2024.03.22
当サイトが実施した、2024年2月1日~2月29日を対象とした、「重要イベント」と「人気銘柄のボラティリティ」にみる市場動向の集計結果により、FX通貨ペアは先月と同様に全体を通してボラティリティ低下となり、CFD銘柄はボラティリティが好調な銘柄と低迷した銘柄が分かれる結果となったことが分かった。
人気通貨ペアであるドル円(USD / JPY)、ユーロドル(EUR / USD)、ユーロ円(EUR / JPY)、ポンド円(GBP / JPY)を対象とした今回の調査結果では、全体を通して1月比でボラティリティの低下が確認されました。特に顕著にボラティリティが低下していたのはクロス円通貨ペアです。また、欧州通貨ペアに関してはテクニカル要因でボラティリティと取引量が拡大する動きが見られました。
上記は、1月・2月のドル円(USD / JPY)のボラティリティ推移を比較したグラフです。2月のドル円は、全体のボラティリティは1月よりは控えめだったものの、突発的なボラティリティの増加が目立つ1ヶ月間となりました。1日当たりの平均ボラティリティは、1月の132.6pipsに対して2月は87.5pipsと、前月比45.1pips低下しています。一方で1日当たりの最大ボラティリティは、1月の216.8pipsに対して2月2日に記録された239.0pipsが最大となり、22.2pips増加しました。同日は米国ISM製造業PMIが発表があり、市場予想を上回る結果となったことがボラティリティ拡大に大きな影響を与えたと考えられます。2月のドル円価格は、好調な米経済指標やFRBの利上げ決定を受けて徐々に上昇し、月末には150円台を突破しました。
上記は、ドル円(USD / JPY)の1月と2月のボラティリティと取引量の推移を比較したグラフです。2月のドル円は概ねボラティリティと取引量が相関していましたが、寄り付き時はボラティリティが急増した一方で、引けの際には取引量が急増する動きが見られました。ドル円は2月中旬までレンジ相場で推移しており、その後レンジを脱したことが月末の最大取引量につながったと考えられます。
1月・2月におけるユーロ円(EUR / JPY)のボラティリティ推移を比較した上記グラフから、2月のユーロ円は1月と比べてボラティリティが全体的に低下していたことが確認できます。1日当たりの平均ボラティリティでは、1月の120.9pipsに対して2月は85.4pipsと、35.5pips減少しました。また、1日当たりの最大ボラティリティに関しては、1月の251.7pipsに対し2月29日の163.3pipsが最大となり、88.4pips低下しています。同日はユーロ円において特に重要なファンダメンタルズ材料はなかったことから、主にテクニカル的な要因でボラティリティが拡大した可能性が高いと考えられます。同日のユーロ円のチャートを見てみると、1時間足でヘッド&ショルダーを形成し、右肩から大幅に下落する展開が合ったことが確認できます。
人気のCFD銘柄であるゴールド(XAU / USD)、日経平均株価(JP225)、ダウ平均株価(US30)、原油(WTIOIL)を対象とした今回の調査では、全体的なボラティリティの増加傾向が目立った1月とは異なり、ボラティリティが好調な銘柄と低迷した銘柄が分かれる結果となりました。過熱する上昇相場によってボラティリティと取引量を増加させる銘柄と、目立った材料が無くボラティリティが伸び悩んだ銘柄で二極化しています。
上記は、日経平均株価(JP225)の1月・2月におけるボラティリティの推移を比較したグラフです。2月の日経平均株価は非常にボラティリティの高かった1月と比べてやや落ち着きを見せていました。しかし、日経平均株価が史上最高値を更新したこともあり、高水準のボラティリティを維持しています。1日当たりの平均ボラティリティは、1月の611.6pipsに対し2月は548.7pipsと、62.9pips低下しました。また、1日当たりの最大ボラティリティは、1月の1,107.0pipsに対して2月13日の987.0pipsが最大で前月比約120pips減少したものの、1,000pips近い高ボラティリティを記録しています。また、全体的なボラティリティの推移は、寄り付きと引けの相場でボラティリティが低下するという点で、1月と共通していました。
上記は、1月と2月の日経平均株価(JP225)のボラティリティと取引量の推移を示したグラフです。2月の日経平均株価は、ボラティリティと取引量がある程度相関する中で、取引量がボラティリティよりも大きく増加する傾向がありました。日経平均株価が34年と2ヶ月ぶりに史上最高値を更新したことで、市場参加者の関心が非常に高まり、取引量が増加したと考えられます。
WTI原油(WTIOIL)の1月・2月のボラティリティ推移を比較した上記グラフから、2月のWTI原油のボラティリティは、1月と比べて全体的に減少していたことが確認できます。1日当たりの平均ボラティリティは、1月の245.7pipsに対し2月は184.0pipsと、61.7pips低下しました。1日当たりの最大ボラティリティも、1月の380.0pipsに対し2月1日の307.0pipsが最大となり、73pips低下しています。なお、寄り付き相場でボラティリティが最も高くなる点は前月と共通しています。
上記のグラフは、1月と2月におけるWTI原油のボラティリティと取引量の推移を示しています。2月のWTI原油は、寄り付き相場ではボラティリティと取引量が相関していましたが、引けの相場ではボラティリティに対して取引量の増加があまり見られませんでした。WTI原油価格は、中東情勢をめぐる上昇圧力と需給緩和による下落圧力が相まって、綱引き状態となっていました。そのため、一貫した方向性をもってボラティリティと取引量を増加させるのは難しい環境下にあったと言えるでしょう。
2月の取引量とボラティリティの推移では、先月と同様にドル円と日経平均株価において、ボラティリティと取引量がともに高い水準を維持していました。1月と比較してボラティリティが低下した銘柄の多くでは、月末に向けて取引量が段階的に低下する傾向が確認されました。これらの銘柄はトレンドが確立できない相場展開により、市場参加者の関心が薄れ、ボラティリティと取引量が低下していたという印象を受けます。一方、数年来の高値を更新する銘柄に対しては、市場参加者から高い関心が寄せられ、活発な取引が行われていました。これらの銘柄の高水準ボラティリティが来月も維持するかどうか、注視する必要があるでしょう。
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