6月の重要イベントと人気銘柄のボラティリティ

2023.07.17
2023.11.24
当サイトが実施した、2023年6月1日~6月30日を対象とした、「重要イベント」と「人気銘柄のボラティリティ」にみる市場動向の集計結果により、FX通貨ペアとCFD銘柄のボラティリティ低下が見られたが、日経平均株価の取引量とボラティリティはいずれも高い状態が続いていることが分かった。
人気通貨ペアのボラティリティ動向と取引量
人気通貨ペアであるドル円(USD / JPY)、ユーロドル(EUR / USD)、ユーロ円(EUR / JPY)、ポンド円(GBP / JPY)を対象にした今回の調査結果では、クロス円通貨ペアのうちドル円とユーロ円は5月と比べてボラティリティの縮小が確認できました。一方、ユーロドルとポンド円は6月15日16日の欧州中央銀行と日銀の動向を共通のファンダメンタルズ材料として、ボラティリティが拡大しています。
ユーロドルは欧州中央銀行発表でボラティリティが拡大
ユーロドル(EUR / USD)のボラティリティ推移(対象月:2023年5月・6月)

上記のグラフは、5月・6月のユーロドル(EUR / USD)のボラティリティ推移を比較したものです。1日当たりの平均ボラティリティは、5月の68.2 pipsに対して6月は74.0pipsと若干のボラティリティ増加が確認されました。1日当たりの最大ボラティリティを記録したのは欧州中央銀行の発表があった15日の148.8pipsで、ボラティリティの急拡大がグラフからも確認できます。ユーロドルは、クロス円通貨ペアと比較して為替介入への直接的な警戒心が少ないため比較的動きやすく、ファンダメンタルズ要因によってもボラティリティが拡大しやすいという印象を受けます。
ポンド円は他のクロス円通貨ペアと異なる動き
ポンド円(GBP / JPY)のボラティリティ推移(対象月:2023年5月・6月)

5月・6月のポンド円(GBP / JPY)のボラティリティ推移を示す上記グラフから、6月のポンド円は先月と比べてボラティリティに恵まれていたことが確認できました。他のクロス円通貨ペアのボラティリティが縮小していた中で、ポンド円は相対的に大きなボラティリティを記録しています。1日当たりの平均ボラティリティは、5月と比べて約10pips程度の増加でしたが、最大ボラティリティは5月の196.1 pipsに対して6月は321.4 pipsと大幅に増加しました。最大ボラティリティを記録したのは6月16日で、この日発表された欧州中央銀行と日銀の金利決定が主なファンダメンタルズ要因になったと考えられます。
ポンド円(GBP / JPY)のボラティリティと取引量の推移(対象月:2023年5月・6月)

上記のグラフは、5月・6月のポンド円(GBP / JPY)の取引量とボラティリティの推移を示しています。通常、ボラティリティの増加に伴い取引量も増加する傾向がありますが、6月のポンド円はボラティリティと取引量の相関関係・逆相関関係が見られませんでした。ボラティリティが中旬に最大値を達成したのに対して、取引量は寄り付きから引けにかけて徐々に増加していく形となっています。
人気CFDのボラティリティ動向と取引量
人気のCFD銘柄であるゴールド(XAU / USD)、日経平均株価(JP225)、ダウ平均株価(US30)、原油(WTIOIL)を対象とした今回の調査結果では、全体を通してボラティリティに恵まれない1ヶ月であったことが確認できました。ただし、今回の調査対象の中では唯一日経平均株価が5月よりもボラティリティが増加していました。
日経平均株価はテクニカル要因でボラティリティが拡大
日経平均株価(JP225)のボラティリティ推移(対象月:2023年5月・6月)

5月・6月の日経平均株価(JP225)のボラティリティ推移を比較した上記のグラフから、6月の日経平均株価は明確にボラティリティが拡大した1カ月間であったことが分かります。1日当たりの平均ボラティリティは、5月の449pipsに対して6月は679pipsと、200pips以上の増加がありました。また、1日当たりの最大ボラティリティは、5月の674pipsに対して6月は1,168 pipsと、2倍近くになっています。6月の日経平均株価は、高値圏を目指す強気相場から、急激な下落を示す陰線の値動きなど、大幅な変動を経験しました。日経平均株価のボラティリティが拡大したタイミングに、関連性の高いファンダメンタルズ要因があった訳ではありませんでした。一方で、高値圏で上昇トレンドの転換を示唆するチャート形状が見られたことから、テクニカル要因による決済売りや新規売りが大幅な下落を引き起こしたと考えられます。
ファンダメンタルズ要因を強く受けたダウ平均株価
ダウ平均株価(US30)のボラティリティ推移(対象月:2023年5月・6月)

5月・6月のダウ平均株価(US30)のボラティリティ推移を比較した上記グラフから、6月のダウ平均株価は5月と比べてボラティリティの低下傾向が見られました。1日当たりの平均ボラティリティでは、5月の384.8pipsから6月は324.7pipsとなり、約60pips低下しています。1日当たりの最大ボラティリティは5月の642.0 pipsに対して6月は月初に記録した743.0pipsが最大値ですが、翌日以降は急激にボラティリティが低下しました。6月1日から2日にかけて米国雇用統計の先行指標が発表されたため、ダウ平均株価に一過性のボラティリティ増加が引き起こされた可能性が高いと言えます。ダウ平均株価の値動きを振り返ると、上値の高値から終値までの幅が大きく、ローソク足では髭の長い形状が多く見られました。髭を起点に買われたり売られたりする形で相場が展開し、価格が変動していたと考えられます。
総評
ドル高トレンドの今後に注目
6月のボラティリティと取引量の推移を見ると、FX通貨ペアにおいては特に日本円に関連するペアのボラティリティ低下が目立ちました。市場参加者は日銀による為替介入を強く警戒しており、その心理がボラティリティにも反映されたと考えられます。一方でCFD銘柄に関しては、株価指数やエネルギー、貴金属など多くの銘柄のボラティリティ低下が見られました。ただし、日経平均株価は取引量とボラティリティがいずれも高い状況が続いていました。ドル高のトレンドが長期化している中で、日銀の為替介入や円売りポジションの決済により、今後ドル円がどのように変動するかは注目です。弱気相場の突入や為替介入による一時的な円高、あるいはさらなるドル高の進展など、複数のシナリオを7月の相場展開で見極めていく必要があります。
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