9月の重要イベントと人気銘柄のボラティリティ

2022.10.13
2023.11.24
当サイトが実施した、2022年9月1日~9月30日を対象とした、「重要イベント」と「人気銘柄のボラティリティ」にみる市場動向の集計結果により、人気銘柄の平均ボラティリティの増加と、24年振りの日銀為替介入時に日本円が絡む通貨ペアが9月最大のボラティリティを記録したことが分かった。
人気通貨ペアのボラティリティ動向と取引量
人気通貨ペア USD/JPY(ドル円)、EUR/USD(ユーロドル)、EUR/JPY(ユーロ円)、GBP/JPY(ポンド円)を対象にした今回の調査結果では、ボラティリティが低迷した先月と比較して、全ての通貨ペアの1日の平均ボラティリティの増加が確認できた。また、9月の為替市場で最も注目されたトピックである、24年振りの日銀によるドル売り・円買い為替介入時には、日本円が絡む通貨ペアが9月最大のボラティリティと取引量を記録した。
日銀為替介入時にボラティリティが大きく上昇したドル円
USD/JPYのボラティリティ推移(対象月:2022年8月・9月)

9月のUSD/JPY(ドル円)1日当たりの平均ボラティリティは、先月より10pips高い164.39pipsで、平均で見ればそれほど大きな変化は見られていない。しかし、実に24年ぶりとなる日銀による「ドル売り円買い」の為替介入が行われた22日には、555.3pipsもの非常に大きなボラティリティを記録した。
USD/JPYのボラティリティと取引量の推移(対象月:2022年9月)

上図は9月のボラティリティと取引量の推移である。取引量に関しても22日に大きく増加しており、日銀による為替介入が市場参加者にとって最も関心の高い材料だったことが分かる。ただし、為替介入により一時的に円高傾向が強まるも、円安の歯止めとしての効果は薄く、当日のボラティリティ拡大に留まった。それ以降は、ボラティリティと取引量が共に低下しており、断続的に円高方向への取引がされた様子はない。
8月よりも大きなボラティリティの変動を見せたユーロドル
EUR/USDのボラティリティ推移(対象月:2022年8月・9月)

9月のEUR/USD(ユーロドル)は、1日当たりの平均ボラティリティは124.93pipsで、8月比で27.74pipsほどの上昇を見せた。9月の最大ボラティリティを記録したのは13日の223.2pipsで、8月の166.6pipsに対して56.6pipsほど増加している。同日は特に関連するファンダメンタルズ材料もなく、また日銀による為替介入の22日より前だ。一方、テクニカル上では、2月から上値抵抗として意識されている日足のトレンドラインと13日の急落水準が重なる。ユーロドルは2021年5月から明確な下降トレンドが意識されている環境であり、戻り高値では素直にショートポジションを持ちたい市場参加者が多かったと推測できる。
人気CFDのボラティリティ動向と取引量
人気CFD銘柄のゴールド(XAU/USD)、日経225(JP225)、ダウ平均株価(US30)、原油(WTIOIL)を対象とした今回の調査では、共通してボラティリティと取引量の相関が確認できた。また、為替市場と同様に1日当たりの平均ボラティリティが8月より増加している。なお、最大ボラティリティに関しても8月よりも増加傾向を示したものの、最大値を記録するタイミングは銘柄によって異なった。
日経平均株価は先月と同じタイミングでボラティリティが拡大
JP225のボラティリティ推移(対象月:2022年8月・9月)

日経平均株価(JP225)の1日当たりのボラティリティ推移では、先月と同様に中旬と下旬で2度ピークを付ける動きが確認された。どちらも最大ボラティリティは850pipsほどで、8月の最大ボラティリティよりも200pipsほど拡大した。1日当たりの平均ボラティリティに関しても、9月は445.82pipsで8月の370.04pipsと比べて約75pips増加している。なお、22日に行われた日銀による為替介入に対して、日経平均株価が反応を示すことはなかった。
平均ボラティリティが1.5倍ほど拡大したダウ平均株価
US30のボラティリティ推移(対象月:2022年8月・9月)

9月のダウ平均株価(US30)は、先月と比較して約1.4倍ほど1日当たりの平均ボラティリティの増加が確認できた。8月の低迷ぶりから、6月7月と同じ水準まで到達している。US30が最大ボラティリティを記録したのは14日で、1640.9pipsの急拡大を見せた。ただし、翌日は約400pips程度のボラティリティに落ち着き、その後も特に尾を引く形にはなっていない。9月のUS30の相場を振り返れば、月初に反発が見られた事以外、中期の下降トレンドに順行する形で続落する展開だった。相場の方向感が明確であり、トレンドフォローに迷いなく相場参加者も付いて行く形が、ボラティリティと取引量の推移から読み取れる。
総評
多くの銘柄で1日当たりの平均ボラティリティが増加
8月と9月のボラティリティの比較では、ほとんどの銘柄で1日当たりの平均ボラティリティが増加したことが確認できた。各銘柄で一過性のボラティリティ増加があったことが主な要因だ。特に日本円の含まれる通貨ペアでは、日銀による24年振りのドル売り円買いの為替介入が、短期的に強く相場に作用した。ただし、為替介入は少なくとも現時点では短期的に円高へ振れる程度で終わっており、長期的に作用する可能性は薄い。また、介入したタイミングでもボラティリティがあまり変動せず、純粋にテクニカル的要因で大きく動いた通貨ペアも見られた。
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