11月12日のNY市場はドル高の流れが継続。米ドル/円(USDJPY)は154.90付近までジリジリと上昇。対ドルで値を下げている欧州通貨(ユーロ、英ポンド)は引き続き売られ、特に英ポンド/米ドル(GBPUSD)は大幅に売られる展開が続いている。金(GOLD)はロンドンフィックスに向けて買い戻される場面も見られたが、終わってみれば2,600ドル割れまで下落した。米株の主要3指数はいずれも前日比マイナスながら動きはまちまち。ナスダック(US100)とS&P500(US500)は下げたところから反発して小幅にマイナス。NYダウ(US30)は戻しきれずに前日比-0.86%の下落となった。米10年債利回りは4.440%まで上昇。トランプ新政権への期待から買いが続く仮想通貨では、9万ドルの節目を前に足踏みするビットコイン(BTCUSD)を横目に、動きの軽いアルトコインが散発的に急騰。イーロン・マスク関連で注目を集めるドージコインのみならず、リップルやステラ、トロンといった比較的単価が低く取引しやすい銘柄で10%超の上昇が見られた。
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選挙から1週間が経過してもトランプトレードは継続。米ドル高の流れを素直に反映するドルストレート銘柄はボラを拡大させ、英ポンド/円(GBPJPY)のようなクロス円銘柄のボラは縮小傾向を見せている。英ポンド/円の昨日の日中値幅は118pips。ドルストレートの英ポンド/米ドル(GBPUSD)の下げと米ドル/円(USDJPY)の上昇に挟まれて値幅を縮めているのがわかる。英ポンド/円の直近20日間の平均値幅166pips。米ドル/円はドル高を素直に反映して上昇。欧州~NY時間に持続的に買われて155円手前まで値を上げた。10月末の高値2,790ドルを天井に下げに転じた金(GOLD)は、日中値幅37.5ドルと平均的な値幅ながらも2,600ドルを割れるレベルまで下落。トランプ新政権の経済政策への警戒から、欧州の株価指数が揃って下落しているのが印象的。
日本時間9時30分に、オーストラリアの第3四半期(7~9月期)賃金指数が発表される。オーストラリアの賃金指数は、特別手当(ボーナス)を除く平均労働賃金の増減を測定する四半期ごとの指標である。今回の予想は前期比で0.9%(前回結果0.8%)。前年同期比の予想は3.7%(前回の結果は4.1%)。オーストラリアではコロナ禍で労働市場を支えていた移民が急減したことで、深刻な人手不足が続き、人件費が上昇。2023年の賃金上昇率は26年ぶりの高水準となった。オーストラリア準備銀行(RBA)は「賃金の伸びは労働市場の一部ですでに鈍化している」とする。今回、賃金指数が前年同期比で4.0%を割ると予想されていることから、労働市場の逼迫解消が裏付けられれば、23年11月以降4.35%で維持されている政策金利に緩和の兆しが見られる可能性も想定される。オーストラリアの次回政策金利は12月10日の予定。豪ドル/円(AUDJPY)や豪ドル/米ドル(AUDUSD)の値動きを注視してトレードチャンスを捉えたい。
日本時間21時00分に米・MBA住宅ローン申請指数が発表される。米抵当銀行協会(The Mortgage Bankers Association)が発表するMBA住宅ローン申請指数は、1週間の新規住宅ローン申請数の増減を指数化した指標である。固定金利・変動金利・新規購入・ローンの借り換えなど、各種別の調査を行い、全体の数字が算出される。新規購入のためのローン申請のみならず、住宅ローンの借り換えも含まれ、個人の複数申請もカウントされるため、実際の住宅ローン申請数を厳密に反映したものとはいえないが、住宅販売戸数や住宅着工件数の先行指標とされている。毎週水曜日の発表。前回の結果は前週比で-10.8%。9月半ば以降、マイナスが続いている。
日本時間22時30分に、米・消費者物価指数(CPI)が発表される。今回の予想は前月比で0.2%(前回は0.2%)、前年同期比で予想2.6%(前回2.4%)の予想。前年同月比でやや上昇と見込まれている。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIは、前月比が予想0.3%(前回0.3%)、前年同期比の予想は3.3%(前回3.3%)と、こちらはいずれも前回と変わらずの予想。米・政策金利は9月に50bp(0.50%)の大幅利下げが行われ、先週7日のFOMCでは25bp(0.25%)の利下げが行われた。現在の政策金利は4.75%。12月18日の次回FOMCでも25bpの通常利下げが見込まれているが、政策金利決定に影響するような数値が出れば、金利の動向に敏感な通貨ペアや貴金属に突発的な値動きが発生する可能性を想定しておきたい。米ドル/円(USDJPY)、ユーロ/米ドル(EURUSD)、英ポンド/米ドル(GBPUSD)といった通貨ペアや、高値から大きく下落した金(GOLD)の値動きを注視してトレードチャンスを探りたい。
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