11月15日のNY市場は株安・円高・原油安の展開。米株の主要3指数はともに下落。特にナスダック(US100)は前日比マイナス2.24%となる大幅下落。大統領選後の上げをほぼ吐き出す形となった。S&P500(US500)は前日比マイナス1.32%、NYダウ(US30)は前日比マイナス0.70%。米ドル/円(USDJPY)は朝方の高値156.75付近からNY時間の安値153.85付近まで値幅289pipsの下落。直前の3日分の上昇を打ち消す下げとなった。欧州時間からの円買いがNYに入ってさらに加速。ステルス介入の可能性も囁かれるほどの急落となった。欧州通貨(ユーロ、英ポンド)もクロス円では大幅な連れ安となったが、ドルストレートでは小幅な下げにとどまった。金(GOLD)は前日比でほぼ変わらず。WTI原油(OIL)は中国の製油所での原油処理量減少が伝わったことなどを受けて売られた。本日は、植田日銀総裁をはじめ、要人発言が相次いで予定されている。
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米ドル/円(USDJPY)が直近3日分の上昇をほぼ打ち消すレベルの急落となったことでクロス円全般にボラティリティが急拡大。米ドル/円の日中値幅289pipsは、直近20日間の平均値幅139pipsの2倍強。英ポンド/円は直近20日間の平均値幅162pipsの2.5倍となる日中値幅414pipsを示現した。対照的に、金(GOLD)は直近20日間の平均値幅40ドルの半分近い21.6ドルの小幅な値動きに終始。
日本時間10時00分に、植田日銀総裁が名古屋での金融経済懇談会で挨拶を行う。懇談会終了後、13時45分に行われる会見での質疑応答も注目される。ブラックマンデー超えの大暴落のきっかけとなった7月末の利上げ以降、2会合連続で据え置かれた政策金利の見通しを伺わせる発言が聞かれるのか。年内の日銀金融政策決定会合は次回12月19日が最後となる。先週末に円高が急進して米ドル/円(USDJPY)が大幅下落した直後だけに、植田日銀総裁の一言一句が材料視される可能性が高い。米ドル/円(USDJPY)とともに、下押しの続く日経平均(JP225)の動きにも注目したい。
日本時間19時に9月の欧州・貿易収支が発表される。貿易収支は、財の輸出額と輸入額の差額(輸出額から輸入額を引いた額)を測定する指標である。前回8月の貿易収支は46億ユーロの黒字。7月の197億ユーロ、6月の217億ユーロから大幅に黒字額が縮小した。予想の178億ユーロも大きく下回った。輸出の減少が輸入の落ち込みをわずかに上回ったものの、ドイツの自動車メーカー各社が対中輸出で苦戦が伝えられる等、欧州経済の牽引役を担ってきたドイツ経済の減速が響いている。対ドルで下落の続くユーロにさらなる下げ材料となるのか、ユーロ/米ドル(EURUSD)の動きを注意して見守りたい。
日本時間24時00分に、11月の米・NAHB住宅指数が発表される。米住宅建築業者協会(NAHB)が約900の建築業者を対象とした調査から算出する住宅市場指数(HMI)は、住宅建設業の景況感を示す指標である。50を上回る数値は米国の住宅市場に建築業者が明るい見通しを持っていることを示す。前回10月の結果は43。2022年半ば以降は金利の高止まりの影響から50を下回る場合が多く、今年は3月と4月に51となった以外は40前後の数字が続いている。9月FOMCからの利下げ効果が新築住宅市場に反映されるのか。年内はあと1回、12月FOMCでの25bp(0.25%)利下げが予想される。ロンドンフィックス通過後の値動きとも重なるため、短期的に強い動きが発生する可能性も想定しつつ、米ドル/円(USDJPY)やユーロ/米ドル(EURUSD)、英ポンド/米ドル(GBPUSD)でトレードチャンスを捉えたい。
2024.11.18
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