11月19日のNY市場は、欧州時間に高まった地政学リスクからの動きを巻き戻す展開。ウクライナ情勢への不透明感から欧州の株価指数は揃って売られ、欧州通貨(ユーロ、英ポンド)も対ドルで大幅下落。クロス円の下げに連れて米ドル/円(USDJPY)は153.30付近まで下落するも、NY時間には買い戻されて前日比プラス圏内まで回復した。米株の主要3指数も欧州時間の下げを受けて低く始まったものの、取引が進むにつれて値を戻し、ナスダック(US100)は前日比プラス1.04%、S&P500(US500)は前日比プラス0.40%に続伸。NYダウ(US30)は時間外での下げが大きく、戻しきれずに前日比マイナス0.28%で引けた。地政学リスクの高まりから金(GOLD)は買われて続伸。戻り売りを誘いやすいレベルまで値を戻した。昨日の取引実績(決済実績)を見ると、恐怖指数ことVIX指数の取引量の増大が見て取れる。決済実績もショートポジションが100%となっていることから、欧州時間の急騰でショートした向きがNY時間にうまく利確した様子が伺える。本日も欧米の要人発言が多い。12月の次回政策金利会合までは、相次ぐ要人発言と地政学リスクに反応する相場展開が続くと予想される。
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ウクライナを巡る地政学リスクの高まりから欧州通貨が売られ、英ポンド/円(GBPJPY)のボラティリティが急拡大した。NY時間には値を戻し、終わってみれば前日比プラス圏内まで回復する展開となった。日中値幅は265pips。直近20日間の平均値幅179pipsの約1.5倍の値幅で往って来いとなり、短期の取引を得意とするデイトレーダーには格好の稼ぎ場となった感がある。クロス円の動きに連れて往って来いとなった米ドル/円(USDJPY)も、直近20日間の平均値幅146pipsに近い日中値幅(152pips)ではあるものの、こちらもデイトレ向きの値動きで取引量を増加させた。金(GOLD)の日中値幅は29.1ドル。地政学リスクの高まりから買われて値を戻しながらも、直近20日間の平均値幅40.8ドルの約3割減にボラティリティは縮小。かつて見られた旺盛な買い意欲は鳴りを潜めた感がある。
本日20日はいわゆる「ゴトー日」。ゴトー日(五日・十日)には東京仲値(9時55分)に向けて実需筋の買い(ドル買い・円売り)が入りやすい、というのは昔からよく知られたアノマリーである。国内輸入企業の資金決済がゴトー日に集中しやすく、円売り需要が高まる、というのがその理由だが、相場に絶対がないように、ゴトー日のドル円仲値も必ず上がるとは限らない。それでも特に相場が動意づく材料がない中では、わずかながらでも取引の根拠になる情報に目を向けたくなるものだ。あくまでもアノマリーの一つとして、ゴトー日の東京仲値を意識しつつ、米ドル/円(USDJPY)の値動きを見守りたい。
日本時間16時00分に、英国の消費者物価指数(CPI)が発表される。前年同月比は2.2%の予想(前回は1.7%)。前月比は0.5%(前回0.0%)と予想されている。CPIコアの前年同期比は3.1%の予想(前回は3.2%)。消費者物価指数(CPI)は、購買傾向の変動およびインフレを測定する重要な手段である。同時刻には、10月の生産者物価指数(PPI)及び小売物価指数(RPI)も発表される。英ポンド絡みの通貨ペア、英ポンド/米ドル(GBPUSD)、英ポンド/円(GBPJPY)、ユーロ/英ポンド(EURGBP)、英ポンド/スイスフラン(GBPCHF)といった銘柄でトレードチャンスを探りたい。
日本時間21時00分に米・MBA住宅ローン申請指数が発表される。米抵当銀行協会(The Mortgage Bankers Association)が発表するMBA住宅ローン申請指数は、1週間の新規住宅ローン申請数の増減を指数化した指標である。固定金利・変動金利・新規購入・ローンの借り換えなど、各種別の調査を行い、全体の数字が算出される。新規購入のためのローン申請のみならず、住宅ローンの借り換えも含まれ、個人の複数申請もカウントされるため、実際の住宅ローン申請数を厳密に反映したものとはいえないが、住宅販売戸数や住宅着工件数の先行指標とされている。毎週水曜日の発表。前回の結果は前週比で0.5%。9月半ば以降、マイナスが続いた状況から大幅アップとなった。
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