11月18日のNY市場はドル安・原油高。ロシアとNATOの対立拡大への懸念からWTI原油(OIL)が上昇。直近で売りが続いていた金(GOLD)も、ウクライナ情勢に対する懸念から大きく買い戻されて反発。米国債の利回り低下を受けて欧州通貨(ユーロ、英ポンド)は対ドルで上昇した。米ドル/円(USDJPY)では円買いの流れが続かず、前日比ではわずかにプラス。欧州時間には高値155.35付近まで上昇したものの、NY時間にはドル安に押されて154円台半ばに戻して終わった。米株の主要3指数は高安まちまち。先週末に大きく売られたナスダックはプラス0.60%のリバウンド。S&P500(US500)もプラス0.30%で小幅に反発したものの、NYダウ(US30)はわずかながらマイナス圏での推移が続き、前日比マイナス0.13%で引けた。仮想通貨(暗号資産)では、ビットコインが9万ドルオーバーの高値張り付きを続ける一方で、比較的取引単価の低いアルトコインやミームコインでの物色買いも継続。取引実績(決済実績)を見ると、対ドルで売られたカナダドル(USDCAD)で米ドルロング(カナダドルショート)ポジションの決済が増大。豪ドル/カナダドル(AUDCAD)でも豪ドルロング(カナダドルショート)ポジションの決済が進んだ。対ドルで反発した豪ドル(AUDUSD)は、クロス円(AUDJPY)でショートポジションの決済が増加。本日9時30分には豪中銀議事録(11月5日開催分)の公表が予定されている。
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昨日は全般的に落ち着いた相場展開となった。先週末に円高でボラティリティを急拡大させた米ドル/(USDJPY)は、直近20日間の平均値幅150pipsとほぼ変わらずの日中値幅152pipsで推移。欧州通貨やオセアニア通貨で見られた米ドル売りに連れることなく、欧州時間にはクロス円に連動して高値155.35付近まで上昇した。しかし、円売りは続かず、ほぼ前日比と変わらぬレベルに戻して終えた。対ドルで買い戻された英ポンドも、英ポンド/円(GBPJPY)のボラティリティは直近20日間の平均値幅178pipsとほぼ変わらずの179pips。米大統領選後に発生したトレンドはここに来ていったん落ち着きを取り戻しつつある印象。米10年債利回りの低下と地政学リスクから買い戻された金(GOLD)は、直近20日間の平均値幅39.6ドルを大きく上回る日中値幅53.0ドルでの急反発となった。
日本時間19時00分に10月のユーロ圏・消費者物価指数(HICP)の確報値が発表される。10月31日に発表された速報値は前年比が2.0%、コアHICPの前年比が2.7%。2022~2023年にかけてコアHICPが5%台で高止まりしていた最悪の状況からは大きく改善されているものの、コロナ禍以前に前年比1.0%前後で長らく安定していた状態からは程遠い数字と言わざるを得ない。ECBの政策金利はリファイナンス金利が3.40%。次回の政策金利は12月12日の予定。速報値とのズレがあれば利下げ期待が強まる可能性も想定しておきたい。ユーロ/米ドル(EURUSD)やユーロ/円(EURJPY)の値動きを注視しつつ、トレードチャンスを捉えたい。
日本時間22時30分に、10月の米・住宅着工件数が発表される。米国内において1ヶ月間で建設された新築住宅戸数を調査した指標である。米商務省センサス局から毎月公表される。新築住宅販売戸数や中古住宅販売戸数の先行指標となる位置づけで、個人消費や景気を測るうえで注目される。今回の市場予想は、前回の135.4万件(予想135万件)を下回る133.5万件。予想とのズレが生じた場合は、米ドルが反応する可能性を想定しておきたい。
日本時間22時30分に、カナダの10月・消費者物価指数が発表される。予想は前月比が0.3%(前回-0.4%)、前年同月比が1.9%(前回1.6%)。変動の激しい食料品やエネルギーを除いたコアCPIの前回結果は、前月比で0.0%、前年同月比で1.6%。2022年に記録した前年比6%の高い上昇率からは収まりつつある。カナダの政策金利は3.75%。次回のBOC政策金利は12月11日。カナダドルは対ドルでの売りが続き、米ドル/カナダドル(USDCAD)は上値抵抗線として意識されていた1.400を上抜け、2020年5月以来の高値圏に上昇している。指標をきっかけに対ドルで弱含む状況に変化が見られるのか、あるいは対ドルでの下落が続くのか。米ドル/カナダドル(USDCAD)の値動きを注意深く見守りたい。
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