10月31日のNY市場は株安・ドル安・ゴールド安の展開。欧州の株価指数が揃って下落した流れを受けて、米株の主要3指数はともに大幅マイナス。特にナスダック(US100)はIT・ハイテク関連に一斉に売りが出たことで前日比-2.76%の下げ幅を示現。S&P500(US500)も-1.86%の大幅下落。NYダウ(US30)の下げは-0.90%と比較的小幅ながらも、日足チャートではサポートライン割れ寸前のレベルまで達している。米ドル/円(USDJPY)は植田日銀総裁の会見で円高進行。NY時間には再び151円台まで下落した。主要FX銘柄ではユーロが対ドル(EURUSD)で買い戻される一方で、英ポンド(GBPUSD)は前日に公表された秋季予算案への懸念から売りが強まり大幅下落。月末の利食い売りが出た金(GOLD)も大幅下落となった。WTI原油は、イランがイスラエルへの攻撃準備との報道で急反発。取引実績(決済実績)を見ると、安いところで仕込んでいたと思われるWTI原油(OIL)のロングがうまく利確決済されているのが見て取れる。上昇したVIX指数も、ロングポジションがタイミングよく利確決済されている。
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英ポンド/円(GBPJPY)でボラティリティが急拡大した。前日に公表された英・秋季予算案への懸念から英ポンドが売られ、クロス円での円高が進んだこともあいまって大幅下落。昨日の日中値幅は353pips。直近20日間の平均値幅163pipsの2倍以上の値動きとなった。月末の利食いと見られる売りで大きく下落した金(GOLD)も、直近20日間の平均値幅31ドルの約1.9倍となる58.5ドルの値幅を示現。NY時間序盤からロンドンフィキシングまでの短い時間に集中して売られ、ボラティリティを拡大させた。米ドル/円(USDJPY)は、政策金利発表と植田日銀総裁の会見内容に円高で反応したものの、日中値幅は178pips。直近20日間の平均値幅116pipsは上回ったものの、注目イベントに対する反応としては期待外れの感が否めない。今夜の米・雇用統計でのボラ拡大を期待したい。
日本時間10時45分には中国の10月・財新製造業PMIが発表される。「財新」(Caixin) は、北京に本拠を置く中国の経済メディアで、S&Pグローバル社との共同調査によりPMI(購買担当者景気指数)を発表。約430人の購買担当者に調査を行い、雇用、生産、新規受注、価格などの項目別でもまとめられる。景気の改善と悪化の分岐点となるのが50で、50を超えると景気拡大、50を下回ると景気減速を示す。今回の予想は49.7(前回結果49.3)。中国の景気動向は日本の輸出企業にも多くの影響を及ぼす。深刻な景気減速が伝えられる中国経済の実情が製造業PMIの数値にどこまで反映されるのか、発表される数値を注意深く見守りたい。
日本時間21時30分には米・雇用統計が発表される。毎月第一金曜日に発表される米・雇用統計は、米国の雇用情勢を示す最も重要な経済指標である。失業率、非農業部門雇用者数をはじめ、建設業雇用者数、製造業雇用者数、小売業雇用者数などの業種別雇用者数、週平均労働時間、平均時給など10数項目にわたる数値が米国労働省から発表される。中でも失業率と非農業部門雇用者の変化は、米国の雇用動向を端的に示す指標として高い関心を集める。今回、失業率は前回と変わらずの4.1%の予想。前回、予想を大きく上回る強い数字が出た非農業部門雇用者変化は10.8万人(前回25.4万人)の予想。10月29日(火)のJOLTS求人件数は予想をやや下回ったものの、10月30日(水)のADP雇用統計は予想を大きく上回る強い数字となった。米・大統領選を来週に控える中での指標発表だけに、市場の反応が注目される。動きを見極めてトレードチャンスを捉えたい。
日本時間23時00分には、米・ISM製造業景況指数が公表される。毎月、第一営業日に発表されるISM製造業景況指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management)が算出する製造業の景況感を示す指標の一つである。同じく第3営業日に発表されるISM非製造業景況指数と共に、米国の景気先行指標として注目される。50を景気の拡大・後退の分岐点とし、50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退を示すと判断される。予想は47.6(前回47.2)。今回は米・雇用統計と同日の発表となるため、マーケットがいつも以上に敏感に反応する可能性を想定しておきたい。
2024.11.01
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