10月9日のNY市場は、株高・米ドル高の流れ。FOMC議事要旨公表(9月開催分)に向けて米ドルが買われ、米ドル/円(USDJPY)は149円台半ばへ上昇。クロス円も軒並み上昇。対照的に、ドルストレートのFX通貨ペア(EURUSDやGBPUSD)は下値を探る動きとなった。米株の主要3銘柄は揃って上昇。S&P500(US500)は最高値を更新。金と原油、仮想通貨は下落した。取引実績を見ると、昨日50bp(0.50%)の大幅利下げが行われたニュージーランドドル(NZD)の取引量が急増。NZドル/円(NZDJPY)では7割超がロングポジションとなっている。米ドル/円は取引量を減らしつつもロングがやや優勢。クロス円銘柄では、英ポンド/円(GBPJPY)もロング優勢だが、ユーロ/円(EURJPY)と豪ドル/円(AUDJPY)ではショートが優勢となっている。CFDでは、米株の主要3指数がいずれも取引量を増やしつつ大幅な売り越し(ショート優勢)。最高値更新のS&P500(US500)で96%、NYダウ(US30)で87%、ナスダック(US100)で77%がショートで占められている。衆議院の解散を好感するかのように上昇した日経株価(JP225)も6割超がショートとなっている。連騰からの急落となった香港ハンセン株価指数(HK50)では、昨日に続いてロングが優勢。ショートの利食いか、あるいは短期のリバウンド狙いか。中国政府による大規模な追加景気刺激策は見送られた。
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前日に高いボラティリティとともに大幅下落した金(GOLD)は、リバウンドすることなく小幅に続落。米国債の利回り上昇と反比例する形で安値引けした。昨日の日中値幅は19.2ドル。直近20間の平均値幅26.2ドルを大きく下回った。下方向への圧力が感じられる日足チャートを形成している。NY時間にジリジリと買い上げられる展開で値を上げた米ドル/円(USDJPY)においてもボラティリティは縮小。こちらも直近20日間の平均値幅192pipsを大きく下回る135pipsでの値動きとなった。英ポンド/円(GBPJPY)も同様にボラティリティが縮小。昨日の値幅は166pips。直近20日間の平均値幅262pipsより100pips近くの縮小となった。米ドル/円が150円台を伺うレベルまで上昇したことで口先介入が見られるのか、要人発言に注意したい。
日本時間16時00分に、トルコの失業率(8月)が発表される。前回7月の失業率(9月10日発表)は8.8%。6月の失業率9.2%と比べて大きく改善。4月~5月の8.5%を上回る水準ではあるものの、おおむね低下傾向にあるといえる。コロナパンデミック前の2019年2月には14.7%に達したトルコの失業率は、コロナ禍明けから右肩下がりで低下している。失業率の改善(低下)はトルコリラ(TRY)に対しプラス、失業率の悪化はマイナスと解釈される。異様に高い政策金利(50.0%)を反映して、米ドル/トルコリラ(USDTRY)、ユーロ/トルコリラ(EURTRY)ともにショートポジション(トルコリラの買い)に大きなスワップポイントが付与される。しかし、迂闊にトルコリラの買いで入ると、スワップポイントの数倍の評価損を食らう可能性が高いので注意したい。
日本時間21時30分に、米・消費者物価指数(CPI)が発表される。今回の予想は前月比で0.1%(前回は0.2%)、前年同期比で予想2.3%(前回2.5%)。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIは、前月比が予想0.2%(前回0.3%)、前年同期比の予想は3.2%(前回3.2%)と予想される。9月18日のFOMCでは50bp(0.50%)の大幅利下げが行われた。次回以降は25bpの追加利下げが見込まれている。FRBの利下げペースに影響するような数値が出れば、金利の動向に敏感な通貨ペアや貴金属に突発的な値動きが発生する可能性を想定しておきたい。米ドル/円(USDJPY)、ユーロ/米ドル(EURUSD)、英ポンド/米ドル(GBPUSD)、金(GOLD)といった銘柄を中心にトレードチャンスを探りたい。
日本時間21時30分に米・新規失業保険申請件数が発表される。新規失業保険申請件数は、失業者がはじめて申請した失業保険給付の申請件数。労働省によりまとめられ、毎週木曜日に発表される。週次の失業保険申請件数は、速報性が高いため、失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目される。コロナパンデミックの最中、2022年には680万超の高い数値をつけたものの、22年からは20万台に落ち着いて推移。前回は22.0万件の予想を若干上回る22.5万件。今回はさらに増加の22.9万件が予想されている。
2024.10.10
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