10月8日のNY市場はリスク回避ムードが後退。米株の主要3指数は揃って高く、金(GOLD)とWTI原油(OIL)はいずれもNY時間に大幅下落。米ドル/円(USDJPY)は、148.00を挟んだ小幅なレンジで推移。8月中旬につけた戻り高値(149.30付近)を145円台に押し戻されるか、売り買いがほぼ拮抗する取引実績からも方向感のなさが伺える。ボラティリティの縮小に合わせて取引量も13%超減少した。英ポンド/円(GBPJPY)とユーロ/円(EURJPY)では、ドレスとレートでの下げ(ドル買い)が落ち着いた流れを受けてロングが優勢となっている。CFDでは、欧州時間に入って値を戻した日経株価(JP225)でショートが6割超。4万円回復は時期尚早と見る向きが多いということか。NY時間に大きく下げた金(GOLD)とWTI原油(OIL)は、いずれも取引量を増やしつつロングが優勢。中国本土の国慶節明けに合わせて売られた香港株ハンセン株価指数(HK50)は、前日のショート97%からロング78%に大幅転換。ショート勢が反対売買でうまく利確したことが推測される。
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NY時間に入って大きく下落した金(GOLD)にボラティリティが発生した。昨日の値幅48.2ドルは、直近20日間の平均値幅32ドルの1.5倍。欧州時間に買い上げる動きから21時を境に反転下落。ロンドンフィックス通過まで一方向に動き続ける、金(GOLD)らしい値動きを見せた。同じくNY時間に値を下げたWTI原油(OIL)は、朝方の高値78ドル台前半からNY時間の安値72ドル台後半まで4.27ドルの値幅で下降。過去6か月で3番目の値動きとなった。対照的に、方向感なく推移した米ドル/円(USDJPY)の値幅は104pips。直近20日間の平均値幅197pipsの半分近くまで縮小した。英ポンド/円(GBPJPY)の日中値幅も、直近20日間の平均値幅271pipsの45%減となる149pips。地政学リスクのいったん落ち着きと、注目度の高い経済指標(米・FOMC議事要旨公表と米・消費者物価指数)を控えていることで、様子見ムードの漂う相場となった。
日本時間10時00分に、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)の政策金利が発表される。今回の予想は4.75%。現状の5.25%から50bp(0.50%)の大幅利下げが予想されている。23年5月から5.50%で維持されてきたニュージーランドの政策金利は、今年8月14日に25bp(0.25%)の利下げが行われた。その際に継続的な利下げが示唆されたものの、前回9月は据え置き。9月19日に発表されたNZの第2四半期GDPは前年同期比で-0.5%、前期比は-0.2%。市場予想通り50bp(0.50%)の利下げとなるのか。同時に発表されるRBNZ政策金利声明とあわせて注目される。NZドル/米ドル(NZDUSD)、NZドル/円(NZDJPY)の値動きでトレードチャンスを捉えたい。
日本時間23時30分に、米・週間原油在庫が発表される。連日の上昇から一転、大きく下落したWTI原油(OIL)がどう反応するのか注目したい。毎週水曜日に公表される米・週間原油在庫は、米国の企業が在庫として保有する商業用原油量を週間で測定した数値。米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA、US Energy Information Administration)により発表される。前回(10月2日)は前週比で約389万バレルの増加。中東情勢を反映して連日上昇を続けてきた原油価格は、中国本土の国慶節明けとなる昨日、大きく反落。いったん押し目を付けてから、目先の抵抗線として意識される79ドル付近を上抜けるのか。あるいは地政学リスクの収まりとともに値を下げるのか。クッシング原油在庫量(CCOS)とあわせて注目したい。
日本時間27時00分に、9月17〜18日開催のFOMC議事要旨が公表される。政策金利決定の約3週間後に公表される議事録には、金融政策の変更もしくは現状維持についてどのような議論が交わされたのかが記録されている。米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策に対するスタンスについて詳細な見解が提供されるため、今後の金利の推移に関する手がかりとなる。9月のFOMCで異例の大幅利下げ(50bp)が行われた後だけに、その決定に至った経緯と今後の見通しが注目される。内容次第では、米ドル/円(USDJPY)に突発的な動きが発生する可能性も想定しておきたい。
2024.10.09
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