11月22日のNY市場は、ロシアとNATOの対立拡大警戒からリスクオフの動きとなった。金(GOLD)は5日連続の上昇となり、特に金曜日の引けにかけて勢いよく買われたため、週足では下ひげも上ひげもないいわゆる「丸坊主」の大陽線を示現した。WTI原油(OIL)も地政学リスクの高まりを受けてNY時間に上昇。71ドル超まで買いが進んだ。米株は主要3指数ともプラスで推移。ロシアリスクよりトランプトレードの流れが優勢か。ドイツの第3四半期GDP(改定値)が速報値を下回り、欧州各国の製造業・サービス業PMIも予想を下回る弱い数字となったことで、ユーロと英ポンドが対ドルで大きく下落。米ドル/円(USDJPY)は一人蚊帳の外で小幅な推移に終始した。ビットコインは日曜日のマーケットでやや売られたものの、週明けは朝から強く買われて値を戻している。10万ドルの節目を突破すればさらに買いが加速する可能性がある。今週木曜日(28日)は米国が感謝祭で休場。翌29日のブラックフライデーは短縮取引となるため薄商いが予想される。
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金(GOLD)が11月前半の下げ一辺倒から反転上昇。1週間を通じて買われた仕上げに、週末クローズに向け一段の上昇を演じて高値引けとなった。日中値幅は47.5ドルに拡大。英ポンドは10月の小売売上高と製造業・サービス業PMIの弱さを受けて下落したものの、NY時間には米ドル/円(USDJPY)の上げに連れて値を戻す展開。日中値幅196pipsは、直近20日間の平均値幅193pipsをわずかに上回る動きにとどまったものの、指標に合わせて動くデイトレード向きの値動きとなった。米ドル/円(USDJPY)の日中値幅は106pips。上値重く下値堅い展開でボラティリティは縮小気味。
本日25日はいわゆる「ゴトー日」。ゴトー日(五と十のつく日)には東京仲値(9時55分)に向けて実需筋の買い(ドル買い・円売り)が入りやすい、というのは昔からよく知られたアノマリーである。国内輸入企業の資金決済がゴトー日に集中しやすく、円売り需要が高まる、というのがその理由だが、相場に絶対がないように、ゴトー日のドル円仲値も必ず上がるとは限らない。それでも特に相場が動意づく材料がない中では、わずかながらでも取引の根拠になる情報に目を向けたくなるものだ。米大統領選でトランプ氏の返り咲きが決まって以降、いわゆるトランプトレードをあてこんだ米ドル買いの流れが続いている。ウクライナや中東を巡る地政学リスクも意識される中、月末最終週の月曜日とあって、米ドル/円に買いが入るのか。あくまでもアノマリーの一つとして、ゴトー日の東京仲値を意識しつつ、米ドル/円(USDJPY)の値動きを見守りたい。
日本時間18時00分には、11月のドイツIFO企業景況感指数が発表される。ドイツ5大研究所の一つであるIFO経済研究所(Information and Forschung:Institute for Economic Research at the University of Munich)が約9,000社のドイツ企業を対象に、現況と今後6ヶ月の先行きについてアンケート調査を実施。2015年を100として指数化した数値が毎月下旬に発表される。前回10月25日は予想85.6に対して結果は86.5と、やや回復した数字となったが、弱い数字が続いている。コロナ禍以前は。ほぼ95~105前後で維持されていた。ウクライナ情勢の悪化が懸念される中、ユーロは対ドルで下値を探る動きを続けている。ドイツの景況感悪化が確認されれば、さらに下値を拡大させる可能性もある。ユーロ/米ドル(EURUSD)・ユーロ/円(EURJPY)の値動きを注視したい。
日本時間24時30分に11月の米・ダラス連銀製造業活動指数が発表される。ダラス連銀製造業活動指数は、ダラス連銀が管轄する地域(テキサス州、ルイジアナ州北部、ニューメキシコ州南部)の大企業100社以上を対象に、生産、新規受注、当月の価格、今後6ヶ月間の予測など、いくつもの質問を行い、企業担当者の回答を基に指数化した指標である。テキサス州はエネルギー産業(石油・ガス)や製造業(石油・化学製品、電器・電子機器、産業用機械、金属製品、食品)を中心に先進製造業が盛んな地域だけに、ダラス連銀製造業活動指数は米国経済全体の主要指標として注目される。前回(10月28日)は-9.0ポイントの予想に対して結果は-3.0ポイント。トランプ新政権の下、米国のエネルギー政策は化石燃料の拡大を軸に、大きく転換すると予想される。石油産業をはじめ、先進製造業を多く抱えるダウ連銀の管轄地域にも強い追い風となることが期待される。
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