10月28日のNY市場では、株・為替ともに様子見の展開。米ドル/円(USDJPY)は欧州時間にやや下押ししたものの、NY時間序盤には下げ分をほぼ回復して小幅に推移。クロス円銘柄もドルストレート銘柄も、ほぼ動きのない時間が長く続いた。米株の主要3指数は揃って前日比プラス。米・FRBがブラックアウト期間(11月7日のFOMCまで)に入り、今週末には米・雇用統計も控えているとあって、積極的には取引しづらい状況といえる。明日は米国の第3四半期GDP(速報値)が発表され、明後日31日には日銀の金融政策決定会合も控える。取引実績を見ると、週明けにクロス円が軒並みギャップアップしたことを受けて取引量(決済)が増加。大きく値を上げたところでうまくロングの利益確定が持ち込まれたものと推測される。週末に大きく値を伸ばし、7万ドル台に乗せる勢いのビットコイン(BTCUSD)もロングの決済で取引量が増加。中東の地政学リスク懸念の後退から週明けに大幅ギャップダウンしたWTI原油(OIL)では、ロングの損切と思われる決済が大量に発生した模様。
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朝方にギャップアップしてスタートした米ドル/円(USDJPY)は、東京時間につけた高値153.87から安値152.40付近まで日中値幅147pipsで推移。直近20日間の平均値幅134pipsを上回るボラティリティを示現した。欧州時間の下押しで窓埋め完了となるのか、それとも材料に乏しい中でいったんの利益確定の流れ継続となるのか、為替介入も警戒されるレベルが近づいているだけに、米ドル/円のボラティリティ拡大に注意したい。英ポンド/円は高値199.34から安値197.79まで値幅155pips。こちらは直近20日間の平均値幅183pipsには届かなかった。金(GOLD)は東京時間の安値2,724.5からNY時間の高値2,745.8まで上昇。日中値幅は21.3ドル。直近20日間の平均値幅30ドルには至らぬものの、高値更新を前に買いの強さが感じられる値動きを見せている。
日本時間16時00分に、独・GfK消費者信頼感調査が発表される。ドイツに本拠を置く世界第4位のマーケティングリサーチ企業、GfK(Growth From Knowledge)が約2,000人の消費者を対象とした調査から経済見通しや所得見通し、購買意欲などを分析して指数化した数値が示される。今回の予想は-20.5。前回の結果-21.2からは若干の改善が見込まれるが、コロナ禍の2020年4月以降、GfK消費者信頼感調査はほとんどの月でマイナスが続いている。22年9月に-42.8まで落ち込んでいたところからは回復しているとはいえ、プラス10前後で安定していたコロナ以前と比較すると、依然、先行き不透明な経済状況におかれていると言わざるを得ない。10月17日に25bp(0.25%)利下げが行われたECB政策金利にさらなる追加利下げが迫られるのか。対ドルで底値を探る動きが続くユーロの値動きを注意深く見守りたい。
日本時間23時00分には、9月のJOLTS求人労働異動調査が発表される。JOLTS求人労働異動調査は米・労働省が発表する労働需要の動向を示す指標で、「雇用動態調査」とも呼ばれる。第一金曜日発表の「雇用統計」が主に失業率など雇用者側からみた労働需給を示すのに対して、JOLTSは求人率など雇用主側からみたデータが示される。両者を合わせてみることで、労働市場の実態をより正確に把握することができるといわれている。尚、JOLTSはひと月遅れの数字となるが、求人件数の増減が翌月以降の雇用者数の増減に影響を与えると考えられるため、米国の雇用市場の動向を見通す上でも重視される指標である。FRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利を審議する材料の一つとしてあげる指標でもある。今週金曜日の雇用統計、さらには11月7日(木)のFOMC政策金利の行方を探る上でも注目したい。今回の予想は790.0万件。前回の結果804.0万件よりやや低い数値が予想されている。
日本時間23時00分に発表される米・消費者信頼感指数は、米国の民間調査機関コンファレンスボード(全米産業審議委員会)による経済指標である。5,000世帯の消費者を対象に、景気や雇用情勢などについて現状と半年後の景況感についてアンケートを実施。1985年を100として指数化した数値が発表される。同種の指数であるミシガン大学消費者信頼感指数よりも調査対象が10倍多く、米国の景況感を測る上でより信頼性が高い指標とされる。予想より高い結果となれば買い材料、予想より低い場合は売り材料と解釈される。 個人消費がGDPの約7割を占める米国経済の先行きを占う意味で注目される指標である。今回の予想は99.0。前回の結果98.7から若干改善が見込まれる。
2024.10.29
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