10月21日のNY市場では、ドル高基調が継続。米10年債利回りが約2ヶ月振りの高水準となる4.198%前後まで上昇すると、ドル買いが先行。米ドル/円(USDJPY)は150.880円付近まで上値を拡大した。米国の大幅利下げ観測が後退したことによって米ドルが買われやすい地合いが続いている。ただし、今月27日の衆院選投開票や来月の米大統領選を目前に控え、警戒感が増していることには注意しておきたい。前日の取引実績では、米ドル/円(USDJPY)は取引量が増加したものの上昇の勢いに反してショートが優勢。米ドル買いに連れて下落基調が止まらないユーロ/米ドル(EURUSD)はショートポジションをさらに増やす結果となった。小幅反落で終えた日経株価はわずかにショートが増加。じりじりと上値を拡大する金(GOLD)ではロングが増加。米ドル買いの動きに押されて反落したところを買い場と捉えたトレーダーによる押し目買いの動きが予想される。仮想通貨では、ビットコイン(BTCUSD)とリップル(XRPUSD)の買い増しが目立つ結果となった。
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米ドル/円(USDJPY)の日中値幅は180pipsと、今月初め以来の力強い動きを見せた。ロンドン市場からNY市場にかけて堅調に上値を伸ばしたことで値幅が拡大。ロングで大きく利益を狙いやすい地合いとなった。英ポンド/円(GBPJPY)は133pipsの値幅で推移。海外市場では米ドル/円(USDJPY)の上昇に連れて上値を拡大したものの、196.000円付近のレジスタンスが強く意識され、レンジ内での横ばい推移となった。海外市場で一時売りが強まった金(GOLD)では、東京市場での上げ幅を帳消しにする勢いで下落。押し目を形成して264pipsの値幅で推移した。
日本時間の22時25分には、英・イングランド銀行(BOE)のベイリー総裁の発言が予定される。ベイリー総裁は今月初旬のインタビューで、インフレ抑制が続けばより積極的な利下げに踏み切る可能性があることを示唆している。ベイリー総裁の発言が伝わると、英ポンドは対米ドルで一時大幅安となり、約2ヶ月振りに安値を更新する動きとなった。28時15分にはBOEのブリーデン副総裁の発言も続くため、今後の英国の利下げ見通しへの言及や、要人発言を受けて英ポンドがどのように反応するか注視したい。
日本時間の23時00分には、米・リッチモンド連銀製造業指数が発表される。リッチモンド連銀管轄地域であるウェストバージニア州の大部分・ノースカロライナ州・サウスカロライナ州・メリーランド州・コロンビア特別区(ワシントンD.C.)の製造業の景況感を示す。指数が0を上回れば景況感の改善を表し、0を下回れば景況感の悪化を表すことになる。今回は、前回値の-21からやや改善見込みの-19と予想。予想を上回れば米ドルにとって買い材料、下回れば売り材料と判断される場合がある。
日本時間深夜となる28時15分は、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁の発言に注目が集まる。ECBは17日に開催された理事会で、9月会合から2会合連続となる0.25%の利下げを決定した。声明文ではインフレ鈍化が順調に進んでいることや来年にはインフレ率が目標値に到達する見込みであることなどが述べられ、想定よりも早いペースでインフレ率が低下してきていることが示唆された。欧州では景気後退への懸念が拡大しており、年内さらに追加利下げが実施される可能性が高い。ラガルド総裁の発言から今後の利下げ観測が高まれば、ユーロがさらに売りを強める可能性があることに注意したい。
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