9月17日の米国市場は、米・小売売上高の強い数字で景気減速懸念が後退。鉱工業生産と設備稼働の数字も予想を上回り、全面的に米ドルが買い戻される展開に。米ドル/円(USDJPY)は140円台半ばから142円台へと段階的に上昇。クロス円も軒並み上昇。対照的に、ユーロ/米ドル(EURUSD)や英ポンド/米ドル(GBPUSD)のドルストレート銘柄は大きく値を下げた。NY時間序盤には米株も強く買われたものの、S&P500(US500)が7月中旬の高値にほぼ面合わせしたところから押し戻され、NYダウ(US30)、ナスダック(US100)と共に前日比ほぼ変わらずで終了。前日の取引実績では、72%超を占める米ドル/円(USDJPY)で6割超がショートポジションとなっている。その他のクロス円においても円買い(ショート)が優勢。CFDでは、S&P500(US500)が取引量増加と共にショートを上積みしているのが印象的。NYダウ(US30)、ナスダック(US100)と共に、米株はそろそろ天井と見る向きが多いということか。押し目を付けて反発した暗号資産(仮想通貨)では、イーサリアム/米ドル(ETHUSD)でロングポジションが8割となっている。
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NY時間の米指標で力強く上昇した米ドル/円の値幅が215pipsに拡大。英ポンド/円の値幅216pipsとほぼ同等のボラティリティとなった。米ドル/円の直近20日間平均の値幅は約170pips。同じく、英ポンドの直近20日間平均の値幅は約198pipsである。クロス円と同様に、NY時間に大きく上値を伸ばしたビットコイン/米ドル(BTCUSD)の値幅は約3,680ドル。直近20日間の平均値幅2,170ドルの1.7倍のボラティリティとなった。高値に張り付いて値動き停滞の金(GOLD)は、米ドル買いで値を下げたことでボラも26.2ドルに回復。金の直近20日間の平均値幅は約29ドルである。今夜27時の米・政策金利では、主要銘柄のボラティリティが全面的に拡大することが期待される。
英国の消費者物価指数(CPI)が日本時間15時00分に発表される。前年同月比は、前回2.2%に対して変わらずの2.2%の予想。前月比は前回結果-0.2%に対して、0.3%と予想されている。英国の消費者物価指数(CPI)は、購買傾向の変動およびインフレを測定する重要な手段であり、金融政策の決定にも影響する重要指標である。英国の政策金利発表を明日に控えているだけに、マーケットの反応には注目される。同時に生産者物価指数(PPI)、小売物価指数(RPI)も発表される。英ポンド絡みの通貨ペア、英ポンド/米ドル(GBPUSD)、英ポンド/円(GBPJPY)、ユーロ/英ポンド(EURGBP)、英ポンド/スイスフラン(GBPCHF)といった銘柄でトレードチャンスを探りたい。
日本時間18時00分にユーロ圏の消費者物価指数(HICP)が発表される。ユーロ圏の消費者物価指数は、EU加盟国でのマーストリヒト条約統一基準に基づく物価指数。統一消費者物価指数(HICP = Harmonized Index of Consumer Prices)と表現される。米国や英国、日本におけるCPIと同様のインフレ指標として、欧州中央銀行(ECB)が注視する指標である。前年同月比の数字は、前回の結果2.6%に対して予想は2.2%。エネルギーと食品を除くコア指数の前年同月比は、前回2.8%に対して変わらずの2.8%と予想されている。予想より高い数字となればインフレ懸念が強まり、予想より低い数字であればインフレ抑制が確認される。次回以降のECB政策金利にも影響するだけに、結果が注目される。次回のECB政策金利は10月17日(木)の予定。
米国のFOMC(連邦公開市場委員会)2日目の会合終了後、日本時間27時00分に米・政策金利が発表される。米国の政策金利は、コロナパンデミックの反動で急激に悪化したインフレを抑制するために上昇。23年7月以降、1年以上にわたって5.50%を維持してきた。今回のFOMCでの利下げは確実視されているものの、利下げ幅が0.25%(25bp)にとどまるのか、0.50%(50bp)の大幅利下げとなるのかに焦点が移っている。今週に入ってからは、0.75%(75bp)もの大幅利下げを米・民主党上院議員が要望しているとも伝えられ、果たして何%の利下げになるのか、マーケットの熱い視線が注がれている。同時に発表される経済見通しにも強い関心が寄せられる。金利発表の30分後に開かれるパウエルFRB議長の記者会見では、いつも以上に荒い値動きが予想される。値動きの方向性を見極めてトレードチャンスを捉えたい。
2024.09.18
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