11月28日のNY市場は感謝祭の祝日により休場。FX以外の多くの銘柄で、日本時間20時~22時以降の取引は休止となったため、ほぼ動きのない閑散相場となった。NY時間の米ドル/円(USDJPY)は約15pipsの小幅なレンジで推移。金(GOLD)と原油(OIL)はいずれも欧州時間にやや買われたものの、値を伸ばすには至らず、日足チャートで十字足を成形した。ブラックフライデーとなる本日は、米国市場は東部時間13時(日本時間27時)までの短縮取引。例年、ブラックフライデー当日は大きく動意づくこともなく、穏やかに週末・月末を迎えるのが通例だが、今年はロシアと中東を巡る地政学リスクに加え、大統領への返り咲きを決めたトランプ氏の動向もマーケットに様々な影響を及ぼしている。薄商いの中、予測不能なトランプ砲が突発的な値動きを誘因する可能性には常に留意しておきたい。昨日の取引実績(決済実績)を見ると、主要FX銘柄で軒並み取引量が減少。米ドル/円(USDJPY)は英ポンド/米ドル(GBPUSD)の取引量減少が特に目立つ結果となった。CFDでは、イーロン・マスク関連で注目を集めるドージコイン(DOGEUSD)の取引量が急増。前日比30倍の大きな伸びを示した。9万ドル台でやや停滞気味のビットコイン(BTCUSD)も、押し目はしっかり買われて下げ切らない印象。この週末に10万ドルを上抜け、新たな局面に突入する展開も想定しておきたい。
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感謝祭の祝日により米国市場が休場となる中、地政学リスクを再燃させるニュースも伝わらず、いたって穏やかな相場展開となった。米ドル/円(USDJPY)は、東京時間スタートから仲値に向けて約90pipsの上昇を見せた後はほぼ横這い。日中値幅は108pips。直近の20日間の平均値幅159pipsの約3分の2の値幅となった。英ポンド/円(GBPJPY)も米ドル/円の動きに連れて小幅に推移。こちらも直近20日間の平均値幅182pipsの3分の2となる日中値幅121pips。金(GOLD)の日中値幅28.7ドルも、同じく直近20日間の平均値幅44.2ドルの3分の2程度。本日も、デイトレーダーにはエントリーチャンスをつかみにくい閑散相場が続きそうだが、地政学リスクとトランプ砲による突発的な値動きには警戒したい。
日本時間17時55分に、11月のドイツ・失業率が発表される。前回の結果は6.1%。今回は変わらずの6.1%と予想されている。コロナパンデミックの最中に6.4%まで上昇したドイツの失業率は、その後、2022年前半に5.0%まで低下するも、22年後半から徐々に悪化を続けている。ユーロ経済圏で長らく一人勝ちを続けてきたドイツだが、失業率の増加と軌を一にするかのように、ドイツの経済は失速。ロシアからのパイプラインに依存したエネルギー政策の失敗は今も強く響いている。移民問題も収まる気配を見せない。トランプ新政権の関税政策にEUが振り回される可能性もある。失業率の高止まりが続けば、さらなる不透明感の進展にも繋がりかねない。欧州時間序盤のマーケットがどう反応するのか。ユーロ絡みの通貨ペアの動きを注意深く見守りたい。
日本時間19時00分に、ユーロ圏の111月の消費者物価指数(HICP)[速報値]が発表される。統一消費者物価指数(HICP = Harmonized Index of Consumer Prices)として表されるユーロ圏の消費者物価指数は、EU加盟国でのマーストリヒト条約統一基準に基づく物価指数である。米国や英国、日本におけるCPIと同様のインフレ指標として、欧州中央銀行(ECB)が注視する指標である。前年同月比の数字は、前回の結果2.0%に対して予想は2.3%。エネルギーと食品を除くコア指数の前年同月比は、前回2.7%に対して2.8%と予想されている。予想より高い数字となればインフレ懸念が強まり、低い数字であればインフレ鈍化が確認される。対ドルで下落の続いていたユーロの値動きに変化が見られるのか、ユーロ/米ドル(EURUSD)やユーロ/英ポンド(EURGBP)での突発的な値動きに注意したい。
日本時間22時30分にカナダの月次GDP(9月)と第3四半期GDPが発表される。月次GDPの予想は、前年同月比が1.6%(前回結果は1.3%)、前月比は0.3%(前回結果は0.0%)と予想されている。第3四半期(7~9月)のGDPは、前期比で1.1%(前回結果2.1%)の予想。カナダの政策金利は現在3.75%。23年7月から今年5月まで5.00%で維持されていたが、6月・7月・9月・10月と4会合連続で利下げを実施。前回は50bp(0.50%)の大幅利下げを実施した。トランプ新政権の関税政策の影響が危惧される中、12月11日の次回BOC政策金利が注目される。対ドルで弱含むカナダドル(USDCAD)の値動きを注視したい。
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