11月11日のNY市場では、債券市場がベテランズ・デーで休場となる中でドル高が進行。米ドル/円(USDJPY)は153.95付近まで円安が進む一方、欧州通貨(ユーロ、英ポンド)はドルストレートで大きく売られて値を下げた。金(GOLD)とWTI原油(OIL)は、ともに大きく下落。対照的に、仮想通貨はトランプ新政権への期待から継続的に買われ、ビットコイン(BTCUSD)は9万ドル直前まで10%超の上昇。イーロン・マスク関連で注目を集めるドージコイン(DOGEUSD)は20%超の上昇となった。昨日の取引実績を見ると、ドージコインとエイダコイン(ADAUSD)の取引量が大幅に増加。比較的安価でなおかつ知名度のある仮想通貨を物色する動きが見られる。トランプトレードの勢いでビットコイン(BTCUSD)が10万ドルを突破するのか、要注目だ。
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トランプ新政権への期待から米ドル高が進み、対ドルで売られる銘柄に軒並みボラティリティが発生した。金(GOLD)は、先週末に下値抵抗線として意識された2,680ドルを東京時間序盤にあっさり割り、NY時間では一段と下げを加速。日中値幅75.6ドルは、直近20日間の平均値幅38ドルの2倍のボラティリティとなった。米ドル/円(USDJPY)の値幅は直近20日間の平均値幅とほぼ同じ134pips。ドル高で値を上げつつも、口先介入が意識されるのか、抑制的な値動きである。英ポンド/円(GBPJPY)は、クロス円の上げとドルストレート銘柄(GBPUSD)の下げに相殺されて日中値幅は157pips。直近20日間の平均値幅168pipsに届かぬ範囲での値動きに終始した。
日本時間9時30分に、オーストラリアのNAB企業景況感指数が発表される。オーストラリアの市中銀行である「ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)」が約350社を対象に景況感を測定して発表する指標である。0を上回る数値は景況感の改善を示し、下回る数値は景況感の悪化を示す。前回9月の企業景況感は、8月の数値より3ポイント上昇してプラス7。雇用が持ち直し、物価の伸びが鈍化。オーストラリア経済の底堅さが示された格好だ。今回はより改善された数値が発表されるのか、豪ドル/円(AUDJPY)や豪ドル/米ドル(AUDUSD)の値動きを注視したい。
日本時間16時00分に英国の失業率が発表される。英国では国家統計局(ONS)基準の失業率と、国連労働機関(ILO)の基準によるILO失業率が公表される。ONS基準の失業率は16歳以上の就労可能人口のうち過去4か月間仕事をしていない人の割合であり、ILO基準の失業率は4週間以内に求職活動を行った者を対象とする。ONS基準の失業率は前月のデータが示され、ILO基準の失業率は過去3か月間のデータが示されるため、数値の差異によって景気動向を判断する材料となる。ONS基準による前回(10月15日)の失業率は4.7%。ILO基準による前回の失業率は4.0%、今回のILO基準による失業率は4.1%と予想されている。雇用市場の悪化が懸念される数字となれば、今後の政策金利にも影響することが考えられる。英国の政策金利は先週7日に0.25%の利下げが行われ、現在4.75%。次回は12月19日の予定。トランプ氏の返り咲き以来、対ドルでのボラティリティが拡大傾向にある英ポンド(GBPUSD)や英国の株価指数FTSE(UK100)の動きを注視してトレードチャンスを捉えたい。
日本時間19時00分に、ドイツのZEW景気期待指数が発表される。ドイツの民間調査会社ZEW(欧州経済研究センター)により毎月1回発表されるZEW景気期待指数は、ドイツの今後6ヶ月の景況感を表す指標である。ドイツの約350人の機関投資家およびアナリストを対象にした調査からまとめられる。指数が0を上回れば景気に楽観的、0を下回れば悲観的な見方を示す。今回の予想は13.3(前回結果は13.1)。フォルクスワーゲンをはじめドイツの主要自動車メーカー各社から生産縮小計画が伝えられ、ドイツ経済の減速が危惧される状況が続いている。予想を下回る数字となれば、ユーロ絡みの通貨ペアに強い動きが発生する可能性も想定される。ユーロ/米ドル(EURUSD)、ユーロ/英ポンド(EURGBP)、ユーロ/スイスフラン(EURCHF)といった通貨ペアでトレードチャンスを探りたい。
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