11月8日のNY市場はトランプトレードの流れから米ドル高継続。前日に対ドルで大きく反発したユーロと英ポンドが売られ、金(GOLD)も小幅に反落。米ドル/円(USDJPY)は、クロス円の下げに連れてやや値を下げたものの、152円は割れずに底堅く推移した。NYダウ(US30)とS&P500(US500)は上値を伸ばしたものの、ナスダック(US100)は前日比でほぼ変わらず。昨日(日曜日)は仮想通貨が大きく買われ、ビットコイン(BTCUSD)が8万ドルを突破したのが目を引く。本日、米国は退役軍人の日(ベテランズ・デー)で債券市場が休場。株式や商品市場は通常通り取引が行われるが、注目度の高い指標も予定されていないため、薄商いが予想される(カナダは戦没者追悼日で休場)。トランプ新政権の人事等のニュースに反応して突発的な値動きが発生する可能性には留意しておきたい。
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米大統領選と米・FOMCをこなした後の週末ということもあり、金曜日のボラティリティはやや低下。米ドル/円(USDJPY)は東京時間の高値153.36付近から欧州時間につけた安値152.13まで約123pipsで推移。直近20日間の平均値幅133pipsにわずかに届かぬ値動きとなった。金(GOLD)も同じく東京時間の高値2,719.23ドル付近から、欧州時間の安値2,680.23ドルまで約30ドルの値幅で推移。直近20日間の平均値幅は35ドル。2,680ドル付近で強く買い支えられている感がある。英ポンド/円(GBPJPY)は、NY時間に欧州通貨が対ドルで売られた流れから、直近20日間の平均値幅166pipsを上回る219pipsのボラティリティを示現。東京時間の高値198.90からNY時間の安値196.71まで断続的に売られる展開となった。
日本時間11時00分にニュージーランドの予想インフレ率(前四半期比)が発表される。予想インフレ率は向こう2年間のモノとサービスのインフレ率の変動を予想する指標である。NZの企業経営者による予想が示されるため、将来の物価変動率を見通す材料となる。3か月(四半期)ごとに発表され、前回8月8日は2.0%。予想インフレ率は2022年11月の3.6%をピークに顕著な鈍化傾向を示している。ニュージーランドの政策金利は8月と10月に2会合連続で25bp(0.25%)の利下げが行われ、現在の金利は4.75%。今月27日の会合でさらなる利下げが行われるのか、国内トレーダーにも人気の高いNZドル/円(NZDJPY)の値動きを注視して長期のトレンドを見極めたい。
日本時間16時00分に、トルコの失業率(9月)が発表される。前回8月の失業率は8.5%。6月に9.2%まで悪化したものの、直近数か月はおおむね改善傾向にある。失業率の改善(低下)はトルコリラ(TRY)に対しプラス、失業率の悪化はマイナスと解釈される。異様に高い政策金利(50.0%)で知られるトルコリラは、米ドル/トルコリラ(USDTRY)、ユーロ/トルコリラ(EURTRY)ともにショートポジション(トルコリラの買い)に大きなスワップポイントが付与される。が、スワップポイントだけを材料にトルコリラ絡みの銘柄に手を出すと、スワップの数倍の評価損を食らう可能性が高いので注意したい。何かしらサプライズとなる数値が発表されれば、欧州序盤のマーケットに突発的な値動きが発生する可能性を想定して、欧州株のインデックスでトレードチャンスを狙いたい。
日本時間27時00分にブルクハルト・バイツ独連銀理事が発言予定。ブルクハルト・バルツ氏は2018年以来、ドイツの中央銀行であるドイツ連邦銀行の役員会メンバーで、 支払いと決済システム、経済教育、国際中央銀行ダイアログを担当している。 ドイツ連銀理事に就任する前は、ECB経済通貨委員会の委員を務めていた。米大統領に返り咲いたトランプ氏の経済政策は、ドイツをはじめ欧州各国にも強い影響を及ぼすことが予想される。長年、独連銀の要職にあるバイツ氏の発言から今後の経済見通しを探る手がかりとなる言葉が聞かれれば、対ドルで乱高下するユーロにさらなる値動きが発生する可能性を想定しておきたい。
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