9月30日の米国市場は、石破ショックの余波を受けることなく底堅く推移。パウエルFRB議長はナッシュビルで開かれた全米企業エコノミスト協会(NABE)の年次会合の講演で、「時間とともに政策金利を引き下げていく」と表明。「経済では物価上昇圧力が一段と緩和する情勢が整っている」とした。米株の3指数はほぼ前日比変わらずのレベルで推移した。NYダウ(US30)の日足チャートには十字星が出現。欧州各国の株価指数が軒並み大きな陰線で引けたのと対照的。円買いの流れは東証大引けとともに反転。米ドル/円は欧州序盤の安値141.64からNY時間の高値143.90付近まで220pips以上買い戻された。昨日の取引実績では、米ドル/(USDJPY)円にショートでエントリーした割合が55%超。英ポンド/円(GBPJPY)やユーロ/円(EURJPY)、豪ドル/円(AUDJPY)ともにショート優勢。さらなる円高を期待する向きが多いということか。CFDでは、高値更新を続けていた金(GOLD)が40ドル超の値動きを伴って2日連続の陰線をつけている。長らく売り買いが均衡していた金(GOLD)のポジションも、ややショート優勢に傾いている。ナスダック(US100)とNYダウ(US30)は、いずれもショートが9割を占める極端なポジション割合。米株の反転下落に賭けるトレーダー心理が伺える。昨日、大幅下落となったビットコイン(BTCUSD)はロングポジションが増加。高いボラティリティで取引量を増やしている。
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金(GOLD)で高いボラティリティが発生。連日の高値更新からの反転下落で、直近20日間の平均値幅31ドルを大きく上回る日中値幅41.3ドルを示現した。中国政府が国慶節の連休を前に発表した景気刺激策により中国株が急騰。資産の逃避先として金(GOLD)に向かっていた資金が減少している表れか。先週末に600pips近いボラティリティを発生させた英ポンド/円(GBPJPY)は、日中値幅276pipsと落ち着いた動きながらも、欧州時間序盤からNY時間までほぼ一方的に上昇。直近20日間の平均値幅241pipsを超える値動きとなった。米ドル/円も同様に、欧州時間からNY時間での上昇で227pipsの値幅を示現。本日発足する新政権による利上げ圧力懸念が若干後退した形で、円買いが一時巻き戻された格好か。
日本時間10時30分(現地東部時間11時30分)にオーストラリアの小売売上高と住宅建設許可件数が発表される。小売売上高は、前月比で前回0.0%に対して0.4%の予想。住宅建設許可件数は、前月比で前回10.4%に対して今回は-4.3%と予想されている。予想より高い数値は豪ドルにとって買い材料、予想より低い数値は豪ドルにとって売り材料と解釈される。豪ドル/米ドル(AUDUSD)、豪ドル/円(AUDJPY)でトレードチャンスを狙いたい。
日本時間18時00分に、ユーロ圏の9月の消費者物価指数(HICP)[速報値]が発表される。統一消費者物価指数(HICP = Harmonized Index of Consumer Prices)として表されるユーロ圏の消費者物価指数は、EU加盟国でのマーストリヒト条約統一基準に基づく物価指数。米国や英国、日本におけるCPIと同様のインフレ指標として、欧州中央銀行(ECB)が注視する指標である。前年同月比の数字は、前回の結果2.2%に対して予想は1.9%。エネルギーと食品を除くコア指数の前年同月比は、前回2.8%に対して2.7%と予想されている。予想より高い数字となればインフレ懸念が強まり、予想より低い数字であればインフレ鈍化が確認される。次回のECB政策金利は10月17日(木)の予定。
日本時間23時00分に、米・ISM製造業景況指数が公表される。毎月、第一営業日に発表されるISM製造業景況指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management)が算出する製造業の景況感を示す指標の一つ。同じく第3営業日に発表されるISM非製造業景況指数と共に、米国の景気先行指標として注目される指標である。50を景気の拡大・後退の分岐点とし、50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退を示すと判断される。今回の予想は47.7(前回47.2)。今年4月1日の50.3をピークに徐々に低下していたが、前回、やや持ち直したことで米国の景気減速懸念が緩和。今回も予想を上回る強い数字となれば、米国株が買われる展開が期待される。
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