12月9日のNY市場は株安・ドル高・金利高の展開。欧州時間の序盤から買われた米ドル/円(USDJPY)は、NY時間に入るとさらに一段高で151円台半ばへ上昇。クロス円も軒並み買われて値を伸ばした。欧州通貨(ユーロ、英ポンド)はNY時間のドル買いに反応してやや値を戻すが、前日比でほぼ変わらぬレベルでの推移となった。米国債利回りは上昇したものの、金(GOLD)もロンドンフィキシングに向けて力強く買われて上昇。中国の李強首相が北京で開かれたIMFや世界銀行など国際機関10団体の代表らとの会合で、「国内消費を刺激して経済成長を支えるために、政府としてあらゆる手段を講じていく」と表明したことが伝わると、中国関連の株価指数CFD(ChinaHCash、HK50Cash)が急騰。香港ドルが対ドルで上昇した(USDHKDは下落)。ビットコイン(BTCUSD)が10万ドルを維持できずに下落したことを受けて、イーサリアム(ETHUSD)やリップル(XRPUSD)、ライトコイン(LTCUSD)といったメジャー通貨が軒並み下落。ドージコイン(DOGEUSD)は前日比マイナス9.32%、カルダノ(ADAUSD)は前日比マイナス14.27%、ステラ(XLMUSD)は前日比マイナス15.27%、トロン(TRXUSD)は前日比マイナス16.49%と、アルトコインやミームコインも大幅下落となった。
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NY時間に力強く買われた米ドル/円(USDJPY)は、東京時間に付けた安値149.68付近から高値151.34まで上昇。日中値幅は約166pips。一方的な買いが続いたため大きく動いたように見えるものの、直近20日間の平均値幅157pipsとの差はわずか9pipsであった。クロス円の上げに連れて素直に上昇した英ポンド/円(GBPJPY)は、安値190.59からNY時間の高値193.40付近まで281pipsの値幅を示現。こちらは直近20日間の平均値幅200pipsの1.4倍のボラティリティ。絶好のデイトレ日和となった感がある。金(GOLD)は安値2627.42ドルから高値2676.30まで48.9ドルのボラティリティ。ロンドンフィキシングまで上げたところから反転する値動きで、こちらもデイトレーダーには利益をとりやすい動きとなった。
日本時間9時30分に、11月のNAB企業景況感指数が発表される。オーストラリアの市中銀行である「ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)」が約350社を対象に景況感を測定して発表する指標。0を上回る数値は景況感の改善を示し、下回る数値は景況感の悪化を示す。前回10月の企業景況感は、9月と同じプラス7。堅調な売上高と投入コストへの圧力緩和を背景に、約2年ぶりの高水準を維持している。変動の大きい企業信頼感指数は7ポイント上昇のプラス5。こちらも2023年初め以来の高水準となった。今回も好調な数値が発表されるのか、豪ドル/円(AUDJPY)や豪ドル/米ドル(AUDUSD)の値動きを注視したい。
日本時間12時00分頃に11月の中国・貿易収支が発表される。貿易収支は、財の輸出額と輸入額の差額(輸出額 - 輸入額)を表す指標である。米ドル建ての貿易収支は、前回957.2億ドルに対して今回は955.0億ドルの予想。貿易収支はGDPの構成要素であり、中国のGDP拡大に大きく寄与する要素である。予想より高い結果となれば中国経済にとってプラス、予想より低い結果であれば中国経済の先行きにマイナス材料と解釈される。昨日、中国の李強首相が「国内消費を刺激して経済成長を支えるために、政府としてあらゆる手段を講じていく」と表明したことが伝わると、中国・香港関連の株価指数CFD(ChinaHCash、HK50Cash)が急騰。日足で大きな陽線をつけたところからさらに買い進められるのか、あるいは格好の逃げ場となるのか、動きを注視してマーケットの動向を探りたい。
日本時間12時30分にオーストラリアの政策金利(RBA政策金利)が発表される。RBA政策金利は、23年11月に25bp(0.25%)引き上げられて4.35%となってから8会合連続で据え置きが続いている。米国や欧州各国が利下げに踏み切る中、RBA(豪中銀)がどのタイミングで利下げに動くのか。今回も4.35%での据え置きが予想されている。マーケットでは利下げ期待が高まっているものの、オーストラリアの中央銀行(RBA)は利下げに慎重な姿勢を崩さない。今後の金利見通しに触れる文言が見られれば相場が大きく動く可能性もある。豪ドル/米ドル(AUDUSD)、豪ドル/円(AUDJPY)でトレードチャンスを狙いたい。
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